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がん治療と仕事の両立に、「信頼貯蓄」という考えも必要ではないか?

2017年04月26日 23時55分 JST | 更新 2017年04月26日 23時55分 JST

不定期でブログを投稿させていただきます、西口洋平と申します。

妻と小学生のこどもを持つ、一般的な37歳男性です。

「ステージ4のがん」であることを除いては。

がんだと宣告されたときに、おぼえた孤独感。仲間がいない。家族のこと、仕事のこと、お金のこと...... 相談できる相手がいない。同じ境遇の人が周りにいない。ほんとにいなかった。

それなら自分で仲間を募るサービスをつくろうと、ネット上のピア(仲間)サポートサービス「キャンサーペアレンツ~こどもをもつがん患者でつながろう~」を、2016年4月に立ち上げました。

子どももいて、地元には親もいる。仕事やお金...... 心配は尽きません。

そんな僕みたいな働き盛り世代で、がんと闘う人たちをサポートしたい。そんな思いから、抗がん剤による治療、副作用と付き合いながら、仕事と並行して、地道に活動を続けています。

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キャンサーペアレンツのFacebookページで活動情報をアップしていきますので、「いいね」をお願いします。

取材記事

36歳の末期がん患者が、娘に残すために始めた「最後の仕事」

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2015年2月、35歳のときにがんの告知を受けました。

頭は真っ白になり、「死ぬのか」「なんで?」、お先真っ暗になりました。

すぐに手術をしたものの、リンパ節や腹膜に転移があり手術できず、治療は抗がん剤のみ。進行度合いは、もっとも進んだステージ4と診断されました。

2015年3月から抗がん剤治療がスタート。様々な副作用と付き合う日々が始まりました。「髪の毛が抜ける」と聞いていたので、事前に坊主にしておいたが、まったく抜けることがなく、周囲からは「なぜ坊主にしたのか?」と疑問を抱かれるだけの結果となりました。

現在も抗がん剤治療を週1回のペースで続けており、がんの進行はなんとか緩やかになっており、日常の生活を送ることができています。ありがたいことです。

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週に一度の点滴による、抗がん剤治療

がんの告知から2年。

3カ月の休業から職場に復帰し、日常生活に戻り、働き方をかえ、子育て世代のためのコミュニティサービス「キャンサーペアレンツ」を立ち上げ、運営しています。もちろん、今でも会社で働きながら。この間、様々な出来事があり、一言では到底語りつくせませんが、私の思うところをひとつお伝えしたいと思います。

■会社を休むこと、復帰することへの不安

体調を崩し、検査入院。がんの告知。手術が必要。

この時点で、会社にはしばらく会社を休むことを伝えなくてはならない。検査入院のタイミングでは、すぐに退院できると考えていたので、「2~3日で戻ります」としか伝えておらず。さて、どう伝えるか。

さすがに、がんという病名は言えず、

「なんか消化器系が弱っているらしく、しばらく入院します」

「え、あ、簡単な手術も必要みたいで」

「あ、大したことないですよ」

みたいな感じで、会社には伝えました。

手術後には、長く付き合っていかないといけないものだとわかり、病名を含めて伝えないといけないと思い、術後の回復を待って、会社の近くまで行って、そして、わざわざ病院にお見舞いに来てもらいました。そこで、素直にそのまま伝えました。

私自身は相当な不安な中で伝えましたが、人事や上司の反応は、非常に真摯に真っ向から受け止めてくれました。そして、復帰する際にも、最大限の配慮をしてくれて、大きな精神的な負担なく、サポートをしてくれました。

■仕事に慣れる、日常に戻る

3カ月も会社を休んだこともなく、そして、体のなかには「がん」というバクダンもあり、大きな不安がありました。成果をあげることはできるのか。周囲からはどう見られるのか。給与はどうなるのか。しんどい時はどう伝えようか。どこまでを同僚には伝えればよいのか。などなど。

会社や同じ組織の方々には、これ以上なく、普通に、そして配慮をしてくれたので、病気になる前よりも居心地よくすごすことができたように感じます。もちろん、成果は思い通りに上がらず、給与は減りましたが、その場にいることができる、他愛もない会話ができる、何よりも周囲が私に期待をしてくれていることが、気持ちよかった。

そんななかで、私の中にはひとつの感情が目を出すことになる。

■「このままでいいのか?」

仕事に慣れ、副作用ともうまく付き合えるようになり、告知当時の「死ぬかも」という不安は多少ちいさくなっていて、この日常がずっと続いていくかもという幸せと同時に、はたして、若くして病気になった私に、何かできることがあるんではないか。いや、何かを成すために、この病気になったんではないか。そんな想いが芽を出し始めたのは、2015年の年末、会社復帰から半年ほとが経過したときでした。

キャンサーペアレンツの構想を考え、手をつけはじめたのもこの時期。そして、2016年4月、いよいよキャンサーペアレンツは、ローンチする。それと同時に、抗がん剤治療をはじめて1年、治療は転換期を迎えていました。

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抗がん剤による治療だけでなく、入院することもある

■わがままを聞いてくれた

2種類の抗がん剤のうち、1種類が使えなくなりました。さて、これからどうする?

1種類の抗がん剤で治療を継続していくのか、それとも・・・。

はじめてのセカンドオピニオンを実施し、抗がん剤治療以外の方法、つまり、手術が可能かどうかを確認するために、名医に話を聞きにいきました。結果は、「手術はできない」「この状態を維持できているのは奇跡」「できるところまで抗がん剤治療を続けましょう」というものでした。

どこか薄れていた「死」に対する恐怖がよみがえり、やりたいことをやらないと後悔する。そう強く感じ、会社に戻りながら、気持ちを固めていました。それは、働き方をかえること。キャンサーペアレンツの活動を本格的にやりたい。そして、会社に対しても恩返しがしたい。2つを両立できるようにできないか。それは、私のわがままだったんです。

気落ちよく受け入れてくれて、シフト勤務、キャンサーペアレンツの活動もガンバレ!と応援してくれました。本当にありがたい話で、もう感謝しかありません。

■お互いの信頼関係がベースにある

会社を休むとき、復帰するとき、日常に戻るまで、そして、働き方をかえるとき。

そこには、お互いに対する信頼があったからこそ、本音で話しをし、理解しあえたということが大きいと思う。

新卒で入社し、会社が数十名の頃から働いてきた。厳しい状況を経験してきた。社歴で言えば、上から数えた方が間違いなく早い。能力はイマイチだったが(汗)、まじめにやってきた。だからこそ、お互いのことを理解し、お互いに対する想いがあったのだと思います。だからこそ、困っている私を助け、私も会社のために何かしたいと思う。そういった関係性が生まれたのではないかと感じます。

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がん治療と仕事の両立について語られるとき、どうしても「がんになった時、どうする?」ということがクローズアップされることが多い。もちろん、そのときに、患者本人だけでなく、病院、医師、企業、家族でできることはたくさんある。課題が多いのも事実です。ただもう一方、あらためて考えなければならないのは、普段の周囲との関係性です。

真剣に仕事に向き合えているか。お互いの期待に応えようとしているか。本音で話ができているか。

そこに、信頼関係があり、信頼の貯蓄があるか。

この「信頼貯蓄」という考え方を持つことで、今の仕事に真摯に向き合うことができると思いますし、周囲に対してもやさしくなれると思います。そして、いつか来る、しかるべき時にこそ、その貯蓄がモノをいうのではないでしょうか。

当たり前のことではありますが、私にそのことを気づかせてくれた「がん」という病気でした。

そろそろその貯蓄を使い果たしそうなので、はりきっていこうと思います!(笑)

※病状、メンタルの状態、その他様々な要因によって、どういった展開になるかは異なってきます。あくまでも、ひとつの意見として参考にしていただければと考えています。

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