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ねじれ解消で国民は幸せになるか?

2013年07月08日 16時52分 JST | 更新 2013年09月06日 18時12分 JST

税金といえば、誰でもとられるのは嫌ですし、少ないにこしたことはないしありません。しかし、ゴミ収集、上下水道、学校、警察など市町村、都道府県、国が仕事をしている分野が沢山あり、その費用は国民の税金でまかなっているのです。逆にいえば、税金を払うことは、国民として正当な権利を行使できるということです。納税者は、自分たちの代表を議会に送る権利があり、その代表が議会で法律をつくり税金の使い道を決めています。まさに、政治が税金の配分を決めているのです。

先日、古い自民党の復活かと思わずにはいられない光景を目にしました。2013年度税制大綱の策定において、党税調の委員会が開かれる自民党本部9階の会議室前に、陳情する各種団体・業界の代表が、大声を上げながら税制改正要望事項を書いたビラを議員に渡していたのです。これぞ、まさに「政官業の癒着」を象徴する光景です。業界は、自分たちの利益を推進してくれる議員の発信力に期待し、その見返りとして票とカネを集めます。ロビー活動は民主主義の重要な要素ではありますが、それが贈収賄事件等の政治腐敗につながっては元も子もありません。最近は、「新聞には軽減税率を適用せよ」などと、社説で主張する全国紙までありました。古い自民党の復活や、マスコミを含め各企業・団体が自己利益の擁護ばかりしているようでは、この国は成り立ちません。

今後の経済の舵取りの分岐点は、消費税増税を来年4月に決行するか否かにかかっています。増税はタイミングを誤るとせっかく活性化しつつある日本経済を一気に冷え込ませる危険性があります。例えば、現在8%、10%と段階的に上がることが決定している消費税増税を、時期を遅らせるかわりに一気に決行する、というのも一案でしょう。

消費税増税は自公民の三党合意の結果、ねじれを乗り越えて成立しました。つまり、民主党が子ども手当、最低保障年金、後期高齢者医療制度の廃止といった社会保障の新しいヴィジョンをかなぐり捨て、自民党の政策を丸呑みしたのです。政権が自民党に変わった現在、社会保障改革は停止状態にあります。ねじれを解消すれば、国民は幸せになるのでしょうか?この国の社会保障をどうするのか、あらゆる立場の議論を尽くすべきです。国民的合意からなる安定した社会保障こそ、個人消費を活性化する一因となるのではないでしょうか。

(※舛添要一氏の政治経済研究サイト「MASUZOE LAB」の7月8日付記事を転載しました)