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働く女が産んでいる。

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今週は英ガーディアン紙の記事"Why have young people in Japan stopped having sex?"(なぜ日本の若者はセックスをやめた?)が大きな話題となり、Washington PostやらTIMEやら各メディアが飛び入り参加して盛り上がっていました。

刺激的なタイトルはさておき日本の諸問題の元凶は少子高齢化なので、そこにつながっている非婚・非交際に疑問の焦点が当たるのはまあ自然かなーと思います。 というのも、欧米諸国の中には戦後下げ続けた出生率が1975-80年を境に下げ止まり反転している国があり、その傾向が顕著になっているからです(出生率が上がっている国は米・仏・英・北欧諸国。 詳しくは→『さらに少子化を考える』)。

そしてついにBCA Researchという独立系リサーチ期間から"The Coming Baby Boom in Developed Economies"(先進国にやってくるベビーブーム)というレポートまで出ました。 私はロンドンのベビーブームの煽りをもろにくらっている(*1)ので、「ついにきたーーー!」って感じ。

*1・・・産科のベッド数が足りない、ナーサリー(保育所)が足りない、極めつけは小学校の定員が全然足りない!!! 大変なことになってます、ロンドン。『犬と子どもとイギリス人

とっても面白い内容なので"The Economist: The coming baby boom?"からポイントをまとめます。

国連の発表によると2010年代に先進国の出生数は2.5%増える、何と出生数の増加は1950年代以来。

20代で産む女性は減っている。 以前であれば30代まで産まない女性は子ども1人か全く産まなかった。 ところが医学の進歩で30代以降でも2, 3人産めるようになったからだ。

もともと経済発展すると出生率は下がる傾向にあった、医療は社会保障の整備で保険として多くの子どもを産む必要がなくなるからだ、実際、先進国での育児・教育費の負担は重い。 ところが、最近、カップルが裕福であるほど子どもの数が増えている。 アメリカでは夫の収入がトップ10%の妻が産む子どもの数は100年前のレベルまで回復した。 子沢山であること自体がステイタスなのかもしれない(『ブランジェリーナ効果』と呼ばれる)。

PhD(博士号)を持っている40代前半女性で子どもがいない率は1992-94年の34%から2006 - 08年には23%にまで激減した。

また1980年代までは出生率と女性の労働率は反比例していた(女性の労働市場参加率が高まるほど出生率が下がった)が、現代は比例している。 これは女性の収入が男性と同レベルになると保育費が賄えること、また周囲にワーキングマザーのロールモデルが増えていることもあるだろう。

どうでしょう? 「働く女ほど産んでいる」ようになってきたのです。

もちろんThe Economistでは、高収入な女性が産んでいる一方、低収入女性が産む子どもの数は減っていること、高学歴女性より低学歴女性の数の方が多いことをあげ、「そう簡単にベビーブームで年金問題解決とはいかない」と釘を刺しています(このあたりはイギリスとアメリカはそっくり→『新しい家族のカタチ』。 だいぶ前ですが、『女性における学歴と結婚の相関関係』というエントリーで米豪では高学歴女性ほど結婚率が高いことを挙げましたが、出産率も高くなっているんですね)。

また『カリフォルニアを見よ』で

世界を変えるような大きな時流(メタ・トレンド)ってまずアメリカのカリフォルニアで発生して、それがすごいスピードで打たれて叩かれてテストされて、こなれたり改善したりローカライズされて、世界の中でも時流が回ってくるのが早い場所から順にぐるーっと回ってきて、気がついたらいつの間にやら世界の様相が変わってる、ってそんなイメージ。

と書きましたが、ことDemographics(人口動態)に関してはアジアは欧米のトレンドに追従せずに我が道を行ってる、という説もあります(→『結婚しない女たち』)。

冒頭のガーディアンや英米メディアの記事は「働く女が産み出した」国という背景あっての記事なのでした。

まあイギリスでもワーキングマザーの生活は戦争なのは同じ、このフィアットのCMは爆笑しました。

(2013年10月25日「世界級ライフスタイルのつくり方」より転載)

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