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優秀な指導者が退任する日本の悪しき習慣に終止符を【WBC】

2017年03月28日 22時55分 JST

ワールドベースボールクラシック(WBC)で日本代表は優勝こそ逃したものの、優勝国の米国相手に準決勝で互角の戦いを演じた。メジャーリーガーの数では他チームに比べ、圧倒的に少なく、大会前は苦戦を強いられるだろうという大方の予想を覆し、準決勝までは6戦全勝だった。

にも関わらず、敗退直後に小久保裕紀監督は退任の意向を表明した。打線を毎試合入れ替え、先発や抑えを固定させず、調子の良い打者や投手をどんどん起用した小久保氏の采配こそが、この快進撃の要因であり、私は、代表監督を続投してほしいと思う。

なぜ、退任なのか?最初の2大会で日本代表が優勝したため、優勝が当たり前という雰囲気ができ、それを逃した時の責任を監督が全て背負うという構図が出来上がりつつあるためではないか。しかし、最初の2大会と、前回と今回の2大会では、指揮を執る条件が全く異なる。最初の2大会はイチローらメジャーリーガーが多く参戦しベストメンバーに近かったのに対し、前回はゼロ、今回は一人だ。

それでも、日本代表は前回と今回、準決勝まで勝ち進んだ。にもかかわらず、前回の敗退直後、当時の山本浩二監督は強烈なバッシングを受け、体重を数キロ落とすほどだった。あれを見て、私は、日本代表の監督になりたがる人はいるのだろうかと本気で思った。

そもそも、私は、山本氏が監督に就くことに違和感があった。山本氏は広島カープの監督を計10年務め、監督経験は確かに豊富だが、リーグ優勝は1回だけで、Bクラスが7回もあり、その内最下位が2回もある。そんな山本氏が日本代表監督になった理由は、通算歴代4位の本塁打数という選手時代に築き上げた知名度以外に考えられない。

選手としての素晴らしさと、指導力が必ずしも比例しないことは誰でもわかるはずなのに、今でも、プロ野球では、人気選手がそのチームの監督になることが多い。海外では無名だった選手が指導力を評価され、1軍チームの指揮を執ることは珍しくない。

WBC日本代表の歴代監督も、王貞治、原辰徳、そして山本氏と球界を誇る元スターたちが名を連ねた。そんな中、小久保氏は選手時代はかなりの活躍はしたが、知名度は前任の3人ほどはなく、監督経験はゼロ。だからこそ、私は小久保氏に期待した。

米国との試合で敗れた原因は、ゴールデングラブ賞を数回受賞したことのある守備の名手2人によるエラーだった。この2人を先発メンバーに選んだ小久保氏の采配に疑問を呈する有識者はいないはずだ。小久保氏が、このまま指揮を執り続け、東京五輪で優勝に導けば、知名度で監督を選ぶ日本の悪しき習慣も変わっていくのではないか。

そして、一般大衆の思い通りにいかないことがあったら、誰か一人をバッシングする悪しき習慣にも終止符を打ってほしい。