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「チーム医療」があるなら、がん患者は「チーム患者」を作ろう

2017年04月20日 17時11分 JST

デザイナーの広林依子と申します。私は現在29歳の、ごく普通の女性で、独身です。友達とカフェでワイワイ話したり、おしゃれを楽しんだり、ときには海外旅行に出かけたりしている普通の生活を送っています。他の人と違うのは、3年前の26歳のときに乳がんを宣告され、そのときすでに骨に転移しており、それからステージ4のがん患者人生を送っていることです。

このブログでは、デザイナーの私が考えた、【ステージ4のがん患者のライフデザイン】の1例を紹介していきます。今回は、がんと向き合う「チーム患者」の作り方を考えてみます。

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・「チーム医療」に対して、患者ができること

総合病院でがんの治療をすると、主治医のほかに放射線科医、緩和ケア医などいろいろな先生にかかることが多いのではないでしょうか。病院によっては「チーム医療」を結成し、チームが集まってカンファレンスを行い、患者さんをどう治療するか戦略を練っていくところもあります。

しかし、患者は一人です。

がん治療というのは、非常に選択肢が多いにも関わらず、重要な選択を次々と迫られます。患者自身も専門知識を付けることがとても大切になってきます。

例えば、抗がん剤など使える薬の数は限られていますが、抗がん剤という「カード」をどう使うかは、主治医と相談しながら治療を進めていくことになります。

当事者でもある患者にとって、こういった重要な選択を一人で冷静に考えるのは、非常に負担が大きいことです。

なので、私は「チーム患者」を結成することをオススメします。

flowerhand

・がんと向き合うプロジェクトチーム「チーム患者」の作り方

ここでは私なりの「チーム患者」の作り方を紹介します。

まず最初に、がんが見つかったらひとまず落ち着いてください。最初は頭が真っ白になるかもしれませんが、焦って周りの人に話すのはオススメしません。まずは家族や、本当に信頼できる口の堅い親しい友人2、3人にだけ話すのがいいでしょう。一度人に言ったことは後で覆せませんので、話す人は慎重に選んでください。大げさに聞こえるかもしれませんが、とても重要なポイントです。

次に、自分が本当に信頼できると思う人を、10人前後を目安に選んでみてください。一気に選ぶ必要はありません。自分が病気と向き合う上でサポートしてもらえると心強いメンバーを思い浮かべてみてください。同じ病気の人、家族、友人、同僚、趣味の仲間...... いろんな人がいてかまいません。治療の段階に応じて柔軟にメンバーが変わっていくこともあると思います。

例えば、仕事や生活背景が全然違う友人を選ぶと、いろんな目線から意見を貰えます。そして、がん患者だからと同情やお祈りをしてくれる人ではなく、単なる一人の人間としてフランクに接してくれて、一緒に建設的な方法を考えてくれるような人を選ぶのが理想的です。できれば医療従事者なども1人以上いるとより良いです。大切なのは、一緒に自分の未来を考えてくれるチームを作ることです。

ここで重要なのが、チームにおける割合です。私は、【3:7】の比率を提案します。あくまで私の感覚ですが、「3:7=がん患者:非がん患者」を目安にするといいと思います。なぜかと言うと、がん患者は当事者なので同じ立場の人の気持ちが理解できたり、色々な情報を教えてくれたりして頼りになる反面、やはりナイーブで傷つきやすい存在でもあります。同じ治療をしても、効果は人によって異なります。ですので客観的に判断したいときは、がん患者以外の人の意見も大切です。

・新しい仲間を見つけることもできる

もしかしたら、今までの友人にはがんのことを話せない方もいるかもしれません。医療従事者や患者の知り合いがいない方もいるでしょう。そういうときは、新たな仲間を探してみましょう。前回の「がん患者に伝えたい、困ったときに人に頼ることの大切さ」の記事では、Twitterをオススメしましたが、私は他に2つの方法も試してみました。

ひとつは「患者会」。がん患者のみなさんが、同じがんの友人を作るために利用する場合が多いと思います。同じ病気の仲間がいることは大きな励みになりますが、もちろん色んなタイプの人がいます。自分のことで精一杯な方も多く、全員と信頼し合える関係になれるとは限らないと思います。まずは患者会をきっかけに信頼できそう、気が合いそうと感じた人とつながって、お互いを理解し合ってから「チーム患者」のメンバーになってもらうことをオススメします。

もうひとつは、がん患者のサポートに取り組む団体のイベントに参加することです。病院内のがん相談支援センターにも張り紙やリーフレットがありますし、団体のサイトやFacebook、TwitterなどのSNSでも探すことができます。患者の友人たちからの口コミで知ることもあります。

がん関連のイベントには、がん患者だけでなく、その家族や、がんに関心がある健康な方も参加するという特徴があります。私は、ここでつながったがんに関心がある健康な友人も「チーム患者」のメンバーになってもらっています。

・色んな人の意見を参考にしよう

がんを治療しながら生活する上で大切なのは、自分の視野を広げることだと思います。特に体調が悪いときは視野が狭くなりやすいので、近しい家族や友人、患者だけでなく、非がん患者の人たちの意見はとても参考になります。

私の場合は、Facebookで「チーム患者」だけが見られるグループを作って、近況報告を投稿し、他の人同士も気兼ねなく話ができる体制を整えています。よければ、ぜひ自分なりの「チーム患者」を作って、色んな人の声を聞いてみてください。