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外国人の就労を全面解禁へ 介護業界から始まるグローバル化

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今月(2016年11月)18日の国会で、外国人が介護福祉士として就労することを全面解禁するとともに、介護現場に外国人の技能実習生を受け入れることも可能とする2つの法律が成立しました。出身国に関わらず外国人が介護現場で働けるようにして、国内の慢性的な人材不足を補完することが狙いですね。

もし、これが上手くいけば、日本の介護労働者の給与水準が下がってゆくことでしょう。少なくとも(人材確保のために)上げる理由がなくなります。おそらく格差が拡大します(とくに地方)。そして、質も下がってゆくという、デフレスパイラルに陥ってゆくことも危惧されます。

この件について、不思議と介護側からの声は聞こえてきませんが、この法律の現場レベルでの運用については、今から仕掛けをしておかないといけないんじゃないかな(施行は1年後ですよ)。

資本主義のダイナミズムでは、機会の平等を拡大させればさせるほど、格差が拡大してゆくものです。格差は市場活動による必然的な結果であって、そのルールのもとでは、「機会」が平等であったとしても「恩恵」は平等ではありません。そして、このズレが社会不安を生み出し、「機会」も「恩恵」も不平等だった封建社会には見られなかったような人々の抵抗がみられます。

介護現場への外国人就労を全面解禁するって話は、外国人と「機会」を共有しながらも、その「恩恵」には格差を設けていこうという意図が内包されています(本音はそうでしょ)。これには残念ながら、日本の介護労働者たちが巻き添えをくう可能性が高いです。そして、介護現場から社会不安が高まってゆくかもしれません。まあ、アメリカのトランプ現象が周回遅れで日本にやってくるというわけ。

日本の介護労働者が、外国人に対する言語的な優位性をもって安心しているとすれば、かなり甘いですよ。若くて元気な外国人労働者には、体力的にかなわない人も多いのではないでしょうか。

また、彼らは母国での高等教育を受けており、かつ日本語検定に合格するだけの学習能力がある優秀な人材です。中国や東南アジアなど外資系企業が日本の介護事業に進出していることも考えれば、あまり言葉の障壁に守られるとは信じない方がいいですね。気づけば彼らに追われる日が来るかもしれません。

人的資本のグローバル化によって何が起きるのか・・・。とくにサービスを途上国へとアウトソースした結果については、現場レベルでも、もっとよく研究しておく必要があるはずです。

欧米における左派と中道右派の激突は他人事ではありません。外国人労働者の権利を守りながら受け入れることとか、介護労働者の給与水準を支えることとか、制度でそれを下支えするのは理論的には簡単なんです。

ただし、素朴にやっちゃうと公費、保険料が上昇して、さらに子育て世代の負担が増してゆきます。高まる格差と不確実性のなかにあっても、私たちの医療と介護を耐えられるレベルに維持するのに必要な社会保障システムとは何かを考え、その資金をいかに確保していくかが問われているように思います。