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ランナーにとって「コーヒー」は味方?それとも敵? 物理学博士・元カナダ代表ランナーに学ぶ

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皆さん、こんにちは。

今回はコーヒーとランニングの関係について考えてみたいと思います。

皆さん、大好きなこのコーヒーですが、ランナーには一体どのような影響を与えるのでしょうか。

これまで、「カフェインは利尿作用があるため脱水症状になりがち」ということで、持久力系の競技に向いていないとされていました。私もランニングの先輩から「コーヒーはスタート前に良くない」というアドバイスをもらった経験があります。

「長年の研究から、カフェインは精神の働きを助け、摂取してから二時間は持久力が向上することが確証されている」

こう語るのは、物理学博士で元カナダ代表ランナーのアレックス・ハッチンソンさん。自著『良いトレーニング、無駄なトレーニング 科学が教える新常識』で、カフェインと持久力について言及しています。

「現在有力なのは、カフェインが筋繊維の収縮に細胞レベルで直接影響しており、神経系から信号が送られると筋繊維がより緊密に収縮するようになるという説」(同書より)

なるほど。

カフェインが神経を鈍らせ、疲労や痛みを感じさせないことで持久力をあげるという分析もあるようです。

2008年の英国の調査では、自転車選手の60%が、陸上選手の33%がカフェインで身体的パフォーマンスが向上しました。

では、一体、どれほどのカフェインを摂取すれば良いのでしょうか。

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「コーヒーから同じ量のカフェインを摂取するよりも錠剤の方が吸収効率が良いので、ランナーは、レースの30~60分前に、錠剤でカフェインを摂取する。効果が高いのが、体重1kgに対して5~6mg」(The Caffeinated Runner - Activeより)

これをコーヒーで換算するとどうなるでしょう。コーヒーカップ一杯分(200ml)にはカフェインが約80mgあるとされています。ということは体重60kgの人がコーヒーでカフェインを摂取しようとすると、コーヒーを4杯も飲む必要があるのです。これはこれでタフですね。

やはり、カフェインを摂取するには、コーヒーよりも錠剤の方がいいのでしょうか。

この分野に詳しいカナダのゲルフ大学教授のテリー・グラハムさんは、アマチュアアスリートが、カフェインを頼ってレースに出ることに警鐘を鳴らしています。

「アマチュアアスリートは競争相手に勝つことよりも自己ベストの更新にこだわるものですが、カフェインに頼っても、それは真の自己ベストとは呼べません」(同書より)

コーヒーだけで必要なカフェインを摂取するには、あまりに量が必要です。しかし、錠剤で摂取するようになっては、体への負担も少なくありません。免疫力が落ち、風邪をひきやすくなることもあるようです。

ですので、一般のランナーとしては、無理してコーヒーを我慢することなく、また、無理にカフェインをとりすぎないよう、いつも通りの生活でレースに挑むことが良いと言えるのではないでしょうか。

※同記事は『Runtrip Magazine』に掲載されたものを加筆・編集したものです。

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