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「日本一温かい」と評判のトレランレースは“前夜祭”で満たされてしまう!? 【神流マウンテンラン&ウォーク】

町の4人に1人が運営に携わると言われる同レースは、まさに「温かい」シーンの連続でした。

2017年11月24日 14時03分 JST | 更新 2017年11月24日 14時03分 JST

全国にあまたあるトレイルランニングのレース。どのレースに参加しても、沿道から声をかけてくれる地元の方々や、参加者が無事にゴールするために準備をしてくれる運営の方々の"温かい思い"を感じとることができます。

ランナーにとって、自身が参加した全てのレースが特別なもの。しかし、そんなトレランレースの中でも、「日本一温かい」と呼び声の高いレースがあります。今年、9回目の開催を迎えた「神流マウンテンラン&ウォーク」です。


同レースは日本のトップランナーの一人であり、世界最高峰のトレイルランニングレース「ウルトラトレイル・デュ・モンブラン2009」で3位入賞の鏑木毅氏がプロデューサーと参加。コース作りをはじめとした様々なポイントで、"鏑木色"をにじみ出しています。

鏑木さんの魅力だけでなく、迎え入れてくれる神流町の皆さんもとてもステキ。ただ、舞台となる神流町は、群馬県にあり過疎化が進む人口約1800人の小さな町で、高齢化率は50%超え。ここ数年で過疎化・高齢化はますます進み、耕作放棄地も増加。いわゆる「限界集落」の拡大が課題となっています。 レース3日前に町に入った鏑木さんは、何度もコースチェックをおこなってくれたようです。

当然、過疎化が進む山の中のレースとなるので、道を再構築するのはそう簡単ではありません。走っていて転倒につながりそうな石をどかし、木の根や枝葉を切り、落ち葉で見えなくなった道をレースで使えるようにはいてくれたりと、地元のボランティアの方々と共に細かな準備を進めてくれました。どんなレースであっても、運営側や地元のボランティアの方々が尽力されていることを、改めて考える必要がありますね。

迎えた今年度の「神流マウンテンラン&ウォーク」。町の4人に1人が運営に携わると言われる同レースは、まさに「温かい」シーンの連続でした。 11月12日に開催されるレース本番。ですが、前日の11日から大きな盛り上がりを見せていました。基本的には前泊して民宿などに宿泊する同レース。その宿泊者を対象にウエルカムパーティーが開催されたのです。

これがまた、規格外の楽しさ。



高校の体育館を使って開催されたウエルカムパーティーでまず目に入るのが、酒、酒、酒......。ビールをはじめ日本酒やワイン、ボイセンベリー酒がそろいます。各テーブルにドンっと酒が置かれるだけでなく、地元の方々が「酒は足りているか!」とさらに日本酒をドンっ!「明日のレースのことを考えて控えめに......」、なんて野暮なこと言っていては、この大会を楽しみきったとは言えません。ただ、お言葉に甘えていただくのですが、日本酒が美味すぎて......やっぱり困った。止まらない(笑)。

テーブルは参加者同士、ランダムに振り分けられるのですが、同じテーブルを囲む仲間同士、盃を傾けあって歓談。お互いのバックグラウンドやレースに関する情報を交換します。レース前に知り合いができるものですから、当日、どこで会えるのか楽しみになりますよね。


テーブルに並ぶのは、神流町で古くから作られている在来種の赤いもや、塩沢地区に伝わる保存の効く郷土料理のえびしなど。また、他にもアユの塩焼きやこんにゃくおでん、うどん、豚汁、焼きそば、フルーツ盛り合わせと、食べきれないんじゃないかと思うほど、手厚いサービスを受けます。「アユの塩焼き足りてますかー」と女性スタッフの声。


皿が綺麗になると、再び、「アユの塩焼き足りてますかー」のループ。食べきれなかったアユは、宿へのお土産に持って帰りました。 ウエルカムパーティーで使われる竹のコップは町民の手作り。一つひとつ丁寧にヤスリがけをしてくれており、ほんのり感じる竹の香りがまた良い。これが神流町流の迎え入れ方。


パーティー終盤には、近藤まさひろさんの曲「トレイル☆ランナー」を熱唱。初めて聞いたにも関わらず、つい口ずさんでしまう名曲です。鏑木氏をはじめ常連組の参加者がステージに上がりてんやわんや。こりゃゆかい。

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地元の方々もよくお酒を飲んでおられ、海外招待選手と話し合っているシーンが印象的でした。迎える側も迎え入れてもらう側も、この空間を全力で楽しむ。そんな様子がまたほっこりしていて、「日本一温かい」と言われることに納得。


会が終わるのは19時半ころ。町の方々に応える形で、参加者もしっかりメッセージを残します。 当然、宿に戻ってもう一杯飲んだりするのですが、明日のレースに出ずに帰っても満足なのではないか、と思えるほどの充実度・満足度です。レポートもここで終わって良いと思ったのは、一度や二度ではありません。

どのクラスでも堪能できる「極上トレイル」

さて、肝心なレースの方もおさらい。「スーパーシングル・ペアクラス」では50kmを走り、累積標高差は3,978mに。


続いて、40kmの「ロングクラス」では、累積標高差2,976m。


最後に、「ミドルクラス」でも累積標高差1,997mと、累積標高差からタフなレースであることがわかります。


私たちが参加したのはミドルクラス。スタートラインをセット中のスタッフの皆さん。


ミドルクラスは、神ヶ原宿をスタートし、万場宿を目指すコースで、途中、美しい山村と峡谷、生活道、通学路、信仰の山々をたどります。とりあえず、当日は快晴でした。


スタートから橋倉集落までは舗装路が長く続きます。ですが、そこには集落の方々が多く駆けつけていただいており、挨拶をしながら走ります。小太郎尾根越えが始まるといよいよトレランの雰囲気に。


また、エイドステーションでは前日に引き続きリッチ。


もう言わずもがな。お腹も心も満タンです。 走り心地に関しては、実際に参加して感じてもらうことに譲りますが、これだけは言えます。レースの終盤、クライマックスとなるのが安取峠を過ぎてからの「極上トレイル」。


これが言葉通りの極上感。落ち葉が重なったふかふかの神丸尾根をなだらかに下っていくのです。つい、スピードが出てしまうコースとなっていますが、そのままスピードに体を任せたくなるようなコースです。


表彰式を見るための特等席はブランコといった、最後までなんともアットホームな大会。


いやはや、「ウエルカムパーティー」と「極上トレイル」、この二つを楽しむために来年、また同レースに参加しようと思ったのは筆者だけではないでしょう。もちろん、神流町にはレース以外にも。


レースの最後は豚汁!! どうもごちそうさまでした!!!

※同記事は『Runtrip Magazine』に掲載されたものを加筆・編集したものです。 【『Runtrip Magazine』とは】 "自分史上最高の波"を求めて旅をするサーファーの「サーフトリップ」のように、"自分史上最高の道"を探るランナーの「ラントリップ」。 『Runtrip Magazine』は、「ラントリップ」というライフスタイルを広く伝える、株式会社ラントリップのオウンドメディアです。

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