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日本映画の次世代はここから始まる―高校映画の世界と「ぼくらの映画祭」という新たな試み。

2014年11月09日 22時36分 JST | 更新 2015年01月08日 19時12分 JST

今月23日に第1回目が行われる「ぼくらの映画祭」。映画の全国大会から羽ばたいた彼らのキーワードは「同世代監督たちの協同」だ。

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意外に知られていない「高校生映画」の世界

 そもそも日本には「高校生映画」という確立されたジャンルがあるということはあまり知られていない。日本には元々盛んな部活制度がある上に、デジタルの時代になったことで機材が廉価化、結果として多くの高校生が映画制作に挑戦することとなった。そんな中で登場したのが現在のNPO法人映画甲子園が主催する「eiga worldcup」(いわゆる映画甲子園)である。

既存のNHKの全国大会に比べて規制が少ないこの大会には(NHKの全国大会は、8分以内、自校生徒のみの出演、学校に認められた放送部のみの参加といった厳しい制限があり高校生のニーズには対応できなくなっていた)、年々多くの作品が集まるようになり、質も向上。映画甲子園に挑戦する高校生を主人公にした浅井リョウ原作の映画『桐島、部活やめるってよ』は第36回日本アカデミー賞を受賞し、大会からは実際に多くの監督志望の学生が巣立っていった。

教育現場の抱える映画教育の問題

 しかしながら、大学教育の世界に行くと状況は変化する。それぞれの美大や芸大の「流儀」に染まっていく中で世代の横の交流は無くなり、学生たちは内向きになっていく。その影響が出ているのは卒業制作の舞台だ。

 それぞれの美大や芸大には異なった特徴がある。例えばいい監督が多い大学があれば、優秀な技術者が多く輩出される大学がある。だが彼らが大学生のうちに共同制作する場面は少なく、また実際にすることがあっても、お互いに学んできたことがあまりにも違うために現場でかみ合わないことが多いという。アメリカやヨーロッパ諸国、中国のように少数の映画学校が突出している訳ではない日本の大学では、学校の垣根を越えた交流が大切になるはずなのに、というのは現場からも聞こえてくる声である。

垣根を越える、映画の「カンファレンス」の創設

 そんな中、映画甲子園のOB達によって立ち上げられたのが「ぼくらの映画祭」である。「eiga worldcup」の協力を受け開催されるこの映画祭の目的は「同世代監督の協同の促進」である。学生間の横の繋がりを強め、学生映画を活発にすることは確実に今の映画界に貢献するだろう。だが彼らの目的はそこに留まらない。日本の将来の映画監督が集まる「eiga worldcup」と「ぼくらの映画祭」から、世界との交流を進めていくこともまた視野に入れている。注目の第1回目は今月23日、早稲田大学の大隈講堂で行われる。

「ぼくらの映画祭」HPhttp://www.eigakoushien.com/Our_Cinema_Conference.php