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社会に貢献することと、企業で働くことは別物なのか

2014年06月05日 15時35分 JST | 更新 2017年03月10日 17時24分 JST

「社会に貢献がしたい」

「NPOで働いて、社会の役に立ちたい」

就活相談やNPO活動、大学のキャリア論の講義などで、大学生からこういう相談を受けることが多い。

社会に貢献したいという気持ちはとても素晴らしい。そのためにNPOで働きたいとか、社会起業家を目指したいと思うことは、就職先に民間企業や役所などだけでなく、そうした選択肢が広がっているという点で、非常にいいことだ。

ただ社会に貢献することと、企業で働くことがまた別というアイディアには、同意しかねる。優秀な学生でも、こういう考えの人がいるという事実は、企業と社会のコミュニケーションに問題があるのかもしれない。

この社会貢献とNPOという議論では、こういう反論がある。企業で仕事をしてお金を生み出すことこそが、社会に付加価値を出すことではないのかと。税金も払うし、社会のために貢献しているじゃないかと。

NPO熱が高い学生には、こういう質問を投げかけることで、ぼんやりとしていた自分なりの社会貢献の意味を、より深く考える契機になったりする。

経済的な視点では、付加価値はお金でカウントされ、お金を生み出すこと自体に価値がある。それはそれで正論だ。しかしその議論だけは、個人的に違和感を感じるのも事実だ。この思想を全て肯定すれば、法律に触れない限り、できる限り多くのお金を生み出せば、価値がある=社会貢献している、ということになる。

果たして本当にそうだろうか。金だけを物事の尺度にすれば、瀕死の人を長時間にわたる手術で救った50万円の仕事に対して、クリック一つで2分で稼いだデイトレーダーの500万円の仕事が、10倍の価値を持つということになる。

尺度という意味では、お金はどこでも通じる共通言語なので、非常にわかりやすい。ただ、働くことの意義や、自分なりの社会貢献を考える場合は、本当にそれでいいのか考えたいところだ。お金以外に、自分が大切だと思うことは何か、どこに価値を見出すか。それはお金のようにわかりやすい共通基準ではないかもしれないが、十人十色でいいのだ。

企業だからとか、NPOだからとか、そういった組織形態の問題ではなく、自分なりに価値があると思う社会への貢献の形は何だろうかと、それをまず最初に考えるべきではないだろうか。