【子どもの貧困】全国集会開催へ バッシングを乗り越え、子どもたちの声を伝えたい

子どもが置き去りにならないために、大人である私たちが彼らの声に耳を傾けることが大切ではないでしょうか。

公益財団法人あすのばは、子どもの貧困対策のさらなる進展のために、12月4日(日)、東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターにて、全国集会を開催します。

前回のあすのば全国集会のようす1

前回のあすのば全国集会のようす2

あすのばは、子どもが「センター」(真ん中)であるべきという考えのもと、子ども自身の声を大切にしながら活動しています。この全国集会では、学生たちが中心となって、当事者である子どもたちの声を直接伝えようと準備を進めています。学生理事として活動している佐藤寛太さん(名城大学4年)に、その内容について聞きました。

集会の準備を進める佐藤さん(中央)たち

■当事者の高校生、大学生が登壇し、自らの経験を語ります

「相対的貧困は見えにくく、外からはわかりにくいものです。当事者が自ら声を上げることもなかなかできないと思います。ちょうど夏に、テレビで報道された貧困の高校生に対するバッシングがあり、貧困世帯の子ども自身が声を上げることは今まで以上に難しくなりました。それでも勇気を出して登壇する彼らの声は、貴重だと思います。」

■貧困にある子どもの日常生活の「困りごと」を伝えます

「日常生活の中で子どもが感じる困難から見えてくる問題があるのではないか、と思っています。全国集会の前日に「子ども委員会」を開き、当事者の高校生、大学生が気楽に話し合う場を設けます。そこで共有された思いや困難を全国集会で報告する予定です。どんな内容になるかは当日までわかりません。

たとえば、僕自身の経験なのですが、高校生の時、パソコンを使う宿題が出たのですが、家にパソコンがなくて困ったことがあります。些細なことかもしれないのですが、子どもたちが日常生活の本音を拾い上げることができるのは僕たちだと思っています。」

■給付型奨学金について学生によるディスカッションを行います

「給付型奨学金については今とても注目されているトピックです。今の奨学金制度について、卒業後の返済が苦しいということを問題にすると、「返さなくてはならないことはわかっていたはずだから、借りた方が悪い」というような批判もあります。しかし、借りる高校生に対してきちんと説明されていたかというと、必ずしもそうではないのではないか、と疑問が残ります。学生が自分の経験をベースに、奨学金制度の問題点や解決策について話を深めていきたいです。」

佐藤さん(左端)と共に当日ディスカッションに参加する学生たち

佐藤さん自身も3歳の時に父を亡くし、現在は奨学金を利用して大学に進学しています。忙しい学生生活の合間を縫って、全国集会の準備に取り組んでいます。子どもが置き去りにならないために、大人である私たちが彼らの声に耳を傾けることが大切ではないでしょうか。

野口由美子(ブログ Parenting Tips

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