ディスコなんてふざけている?子どもたちの難民支援

大人も意外なほどあっさりとチャリティーにまとまった金額を寄付したり、ボランティア活動に参加したりするのが当たり前の光景として目に入ってきます。

子どもの学校でこんな張り紙がありました。オランダにあるブリティッシュスクールの入り口です。

パジャマディスコ!

1月22日金曜日 16:00-17:30

学校ホールにて

チケット(1人最低限2ユーロ)は生徒会委員から事前購入のこと

今回のチャリティーイベントはディスコ

ディスコといっても、小学生の子どもが学校でやるものなので、果物やお菓子などの食べ物やジュースが出て、ノリのいい音楽がかかる中、子どもたちが踊るというか騒ぐ、というようなイベントです。今回のディスコは「難民支援」が目的だそうです。

私の子どももとても楽しみにしていて、ちょうど人気のスターウォーズのBB-8がプリントされているパジャマをこの日のために選んでいました。

ディスコで出される食べ物は持ち寄りで、果物、ポテトチップスやポップコーン、ビスケットなどを持参します。

お菓子を食べたり踊ったり。子どもからのリクエスト曲もかかります。人気曲はファレル・ウィリアムスの「Happy」(子どもたちの雰囲気が伝わるかと思い、You Tubeのリンクをはりました)。

うちの子は音楽の授業で習った(!)クイーンの「Bicycle Race」がかかったのがうれしかったそうで、派手に踊って、ベスト・ダンサーに選ばれました。賞品までもらって、満足そうにしていました。

生徒の半分以上の160人を超える参加者から、400ユーロ以上の寄付を集めました。全額子どもがいる家族向けの難民シェルターに寄付されました。寄付先は生徒会の子どもたちで決めたそうです。

チャリティーの精神はどこからくるか

チャリティーは楽しいこと。

チャリティーイベントは楽しくないといけないそうです。

イギリスに住んでいた時も、オランダにいる今も、子どもは学校内だけでも年に5、6回はチャリティーイベントがあります。大人も意外なほどあっさりとチャリティーにまとまった金額を寄付したり、ボランティア活動に参加したりするのが当たり前の光景として目に入ってきます。

確かに日本でも東日本大震災を機に寄付やボランティア活動が盛んになったという実感がありました。しかしやっぱり、日本はあの時が「特別」だったような印象があります。ここではあれくらいやるのが「普通」と言われそうです。でも、それはその人の良心、公共心、正義感といった類の道徳的な気持ちからだけではないと思います。

参加するのは、楽しいことだから。楽しいだけでなく、人のためになるなら、うれしい。喜んでやるよ。

そんな楽しいうれしい気分だけで難民問題のような困難な社会問題を解決できるとは思いません。しかし、問題解決への力を与えるのはそういう前向きな気持ちから出てきた支援だと思わずにはいられませんでした。

写真協力: the British School of Amsterdam

野口由美子

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