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難民問題、子供と私がヨーロッパにいて知ったこと

2015年11月06日 21時58分 JST | 更新 2016年11月06日 19時12分 JST

難民が押し寄せるヨーロッパ。日本にいたらヨーロッパはちょっと遠い世界、私もテレビや新聞の中でこのニュースを見るくらいだったと思います。

私は今オランダのアムステルダム近郊に住んでおり、

「 ニュースではよくドイツの難民受け入れ問題を取り上げているけど、オランダはどう?」

と日本の友人に聞かれました。

ヨーロッパに住んでいるといっても、私は一時的にいるだけの外国人に過ぎません。ヨーロッパ各国の国民とは生活も意識もだいぶ違います。そんな私にとって、ヨーロッパの難民問題はやはりニュースで見るもの、しかも、現地のテレビニュースや新聞を見ること自体少なく、遠い問題と感じていました。しかし、実は私の周りでも難民問題は至るところに存在していることに気づきました。

近所に住んでいる難民

「以前、近所に難民の方が引っ越してきたことがあったの。うちの子と同世代の子供がいたけれど、その子は乗馬のレッスンを受けていたのよ。私びっくりしてしまったわ。難民として移り住んできた人はもっと貧しい生活しかできないと思っていたから。でも子供は乗馬を習うことだってできるの。なんて平等な国なのだろうと感心してしまった。」

オランダに長く住んでいる日本人の方からこのような話を聞きました。認定を受けた難民への生活保護はかなり充実しているそうです。生活保護というと最低限の保障というイメージがありましたが、最低限より手厚い保護になっているのです。

オランダは税金が高く、サラリーマンの所得税が大体50%、消費税はぜいたく品に対して21%、食料品等に対しては現在6%です。自動車取得税、ガソリン税も近隣諸国と比べて高く、オランダで多くの人が自動車より自転車に乗っている理由のひとつだと思います。一般のオランダ国民が高い税金を払い、倹約した生活を送っている一方で、難民等保護を受けている人がぜいたくな生活を送っている、というアンバランスに直面することもあるそうです。

身近な人も難民援助のボランティア

「難民のソマリア人の母親にオランダ語を教えているのだけれど、彼女たちもオランダ語の発音が難しいようね。」

私が今レッスンを受けているオランダ語の先生は元小学校の先生です。現在は自分が勤めていた学校でオランダ語ができない親に対してオランダ語を教えるボランティアをしているそうです。難民の認定が得られると、オランダ語教育も受けることができます。こんな身近にいる人も難民を助けているのか、と難民問題が急に近くなりました。

子供が知る難民問題

「ママ、今日先生に渡した1ユーロはね、遠くから来て家も何もなくて困っている人に食べ物とかをあげるために使うんだって。その人たちは今まで住んでいた国には住めなくなってしまったんだって。すごく困っているから助けなくちゃいけないんだよ。」

子供の学校では、難民救済のためのノンユニフォームデーがありました。ただ単に、生徒はいつもの制服ではなく、私服で学校に来るだけなのですが、制服を着ないことが許される代わりに、子供たちは1ユーロを持参します。そのお金を集めて、ユニセフに寄付します。4歳の娘は、どの服を着ていくか朝揉め続け、私は内心制服の方が楽でいいと思いながら、彼女に1ユーロを渡しました。4歳の子でも学校で寄付をしました。7歳の息子くらいになると、その1ユーロが何を意味したのか、学校の先生と話したことを彼なりに考えるようです。

助けるのは当たり前のこと

これだけ大規模の難民は、受け入れる社会にとっても負担が大きいので、とても難しい問題になっています。政治的、文化的にも複雑です。

しかし、ニュースで伝えられるような難しい問題である前に、日常生活の中で感じたことは、困っている人は助けるべきで、何ができるか行動し続けるのが当たり前、ということでした。ボランティアで言葉を教える、1ユーロを寄付する、どれも自然なこととしてなされていました。

そして、子供にとってもチャリティーが身近であること。これは私が一番取り入れていきたいと思いました。子供の学校では、ノンユニフォームデーの次に、難民にレインコートを寄付する運動が始まりました。そしてまた別のチャリティーイベントのお知らせもきています。当たり前のことを自然にできるのがチャリティーであることを子供と学びました。いろいろ難しいけれど、助けるのは当たり前、小さなことでも行動したいと思います。

野口由美子 (ブログ Parenting Tips)