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4月に入社する大学生へ、「成長する」ということのほんとうの意味について

2014年02月07日 01時51分 JST | 更新 2014年04月07日 18時12分 JST

2月に入った。早いもので、今年もすでに1か月が経ち、残すところ11か月となる。「光陰矢のごとし」というが、年を積み重ねるたびにこの言葉がリアリティを増す。

この時期、4月に入社を控えている大学生にとっては最後の長期休暇のように感じる人も多いのではないかと思う。

私が新入社員として入社式に参加したのはもう10年以上前になる。会社でどのように働いていたかは忘れてしまったことも多いが、入社式の出来事は未だ鮮明に思い出すことができる。

お決まりの挨拶、辞令に続き、「社長から新入社員へ」という時間があった。社長は祝辞を述べ、新人へ対して「大変期待している」という趣旨の発言をした。

そして、社長はひと通り話を終えると、126名の同期に向かって、「何か質問はあるか?」と聞いた。

皆はもじもじしていたが、社長の「なんでも構わないぞ」という言葉に促され、一人の同期が手を上げ、おずおずと

「社長の年収はいくらですか?」

と聞いた。

社長は少し戸惑ったようだったが、苦笑しながら「一億!」と響く声で断言した。

一億、大きなお金である。しかし、当時の私はその金額の多寡については全く興味を持てなかった。ただ、興味というよりはむしろ、「ピンと来ない」と言ったほうが正確かもしれない。

だが、その後に社長が続けた言葉には、私は強く反応した。

「一億稼ぎたかったら、君たちは成長するしかない。そして成長するためには心を鍛えなければいけない」

私が社会人となって最初の日、社長は「成長」という言葉を強く私の中に残した。

しかし、その一方でモヤモヤしたものが心にのこる。一体成長とは何なのか?どのようにして獲得できるものなのか。「心を鍛える」とは何か。それを理解することは、私の長期に渡る課題となった。

現在、採用活動をしていると学生の方々から「成長」という言葉を聞かない日はない。

"私はサークルのリーダーをやり、部員をまとめることによって成長しました"

といった「成長談」は枚挙にいとまがない。

しかし、「成長とはなにか?」という質問に対して、返ってくる回答は様々である。

「できなかったことが、できるようになった」

「スキルが身についた」

「仕事がうまく出来るようになった」

しかし、「成長」とはそのような技術的、個人的なものなのだろうか。

ピーター・ドラッカーは社会人が目指すべき姿を

「自らの貢献にに責任を持つ人」

と定義している。

その通り、成長とは、「今までより大きな責任を引き受けられるようになること」に他ならない。

成長とは、マンガの主人公が体験するような「新しいワザを身につけた」「強敵に勝った」といった類のものではないのだ。

「成長しよう」と資格を取得したり、英会話を習うのも良い。しかし、真の成長は「スキル」だけでは表せない。

新入社員だった時から10年以上経った。私はあの社長から10年かかって多くを学ばせていただいた。

「成長」とは、真摯さや責任感を身につけ、人から信頼を得て、仕事を任され、世の中に対して貢献するということだ。

「今までより大きな責任を引き受けられるようになること」を日々続ける、それ以外に成長の手段は無いのだろう。

焦っても仕方ない。目の前の仕事をキッチリやることから始めよう。