なぜ上司は会議をやりたがるの?

朝礼があって、チームミーティングがあって、全体会議があって、部内定例会があって・・と、会議ってどんどん増えますよね。もちろん、十把一絡げに、「全部の会議がムダだ」とはいえないですけど、データを見ると、4割の人が「内職」をしている。内職するくらいなら、会議にいてもいなくても・・・と感じます。

会議、やっていますか?NTTデータ経営研究所の調査では、全体に占める会議の割合は約15%です。ということは、1日の業務時間を8時間とすると、1時間ちょっとは毎日会議があるわけです。

で、無駄な会議があると感じている人が約半数います。

朝礼があって、チームミーティングがあって、全体会議があって、部内定例会があって・・と、会議ってどんどん増えますよね。

もちろん、十把一絡げに、「全部の会議がムダだ」とはいえないですけど、データを見ると、4割の人が「内職」をしている。内職するくらいなら、会議にいてもいなくても・・・と感じます。

特に全体の1割~2割くらいしか、自分に関係する話がなくて、あとは関係ないっていうときなんか、コンチクショー、オレの時間を返せ、っていう気持ちになります。

でも、会議に欠席したり、遅刻したりすると、角が立つ。だから、渋々会議にでる。

他にもほんとうに必要なの?といってしまいそうな「朝礼」なんかで、長々と社長のありがたい話を聞かなくてはいけない時もあったり、実績が出ていないとみんなの前で上司のツッコミを受ける、なんてこともあったりします。

そんな大事な会議サボろうものなら、「おまえはやる気が無い」って怒られるわけです。

でも、なんでこんな無駄な会議が多いのでしょうか?

と考えると、実は会議の主宰者は、「無駄な会議」って思ってないのですよね。

たとえば、月に一回社員全員が集まる会議があったとします。

社員は「ムダ」って思っている人が半数くらいいても、経営者は「全員に話をしたい」とか、「全員が顔を合わせることが重要だ」って言って、会議をやめません。

理由を聞くと、「面と向かって話すことが大事」とか何とか言うんですが、中身はメールで回せばよい話だったりする。でも経営者は「メールだと見ない人がいる」っていいます。

管理職が目標達成度をツッコむ会議とかでも、結局一人一人に報告してしまえばいいところを、「全員の前でやることに意義がある」と思ってやっている人って多いです。

そうやってよく考えると、会議は、「現場のためではなく、上司のためにやっている」ということも多いんです。

「一人一人から話を聴くのは面倒だから、まとめてやってしまおう」とか、「一人一人に話ができないから、まとめて話してしまおう」とか、そういった理由です。

おそらく、「アイデア出し」が必要な会議以外は、あまり沢山の人が集まる意味もないですし、「アイデア出し」をするならば、せいぜい8人程度が限界です。

人数が増えすぎると、特定の数人しか話をしなくなりますから。

だから、それ以上に沢山の人が集まったり、単に報告をしたりするだけの会議ならば、やめてしまってもあまり問題はないはずです。

社員の側からすれば、「会議なんて開かずに、個別に聞いてください」と言いたいこともたくさんあるでしょう。

でも。

あなたも上司になればわかります。会議しないことがどれだけ不安か。

現場がやっていることは、いとも簡単に見えなくなる。

社員がどんな気持ちでいるのか、わからなくなる。

社員がやる気なのか、困っているのか、判断がつかなくなる。

そうです。会議って、上司の不安解消ツール、っていう側面も大きいのです。これは合理性ではない。

「ムダ」なんて無下に言わないで、上司の気持ちを汲んで、上司にたくさん話しかけてあげてください。

きっと会議が減るはずです。

(2013年10月23日 Books&Apps に加筆・修正)

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