利用時間でデジタルがTVを追い抜く日、米国は2013年、ドイツは17年、日本は18年

eMarketerが先ほど日本とドイツにおける、主要メディアの利用時間の推移を発表。日米独のメディア利用時間の違いを追ってみた。

「TV離れ」と「PV離れ」が進んでいる。

eMarketerが先ほど日本とドイツにおける、主要メディアの利用時間の推移を発表。先に明らかにしていた米国の調査結果と合わせて、日米独のメディア利用時間の違いを追ってみた。

まず日本のTV(テレビ)利用時間とデジタル利用時間は図1のように推移している。いずれも18歳以上の大人の1日当たりの平均利用時間である。2018年ころに、デジタルの利用時間が3時間17分となりTVに追いつくと予測している。時期が遅いのは、高齢者が多いせいだろう。

(ソース:eMarketer)

図1 日本におけるテレビ利用時間とデジタル利用時間の推移。

ドイツの場合は、図2のように、2017年にはデジタルの利用時間が3時間44分となり、日本より一足早くTVを追い抜くという。

(ソース:eMarketer)

図2 ドイツにおけるテレビ利用時間とデジタル利用時間の推移。

一方、米国では、図3に示すように、2013年にデジタルの利用時間が4時間48分となり、3年前に早くもTVの利用時間を抜き去っていた。

(ソース:eMarketer)

図3 米国における主要メディアの利用時間の推移

ここで目立つのは、米国人のデジタルおよびTVの利用時間が、日本やドイツを大きく引き離していることだ。ソーシャルメディアと接触している時間が長かったり、面白いTV番組が多いためかもしれないが、それにしてもデジタルとTVの利用時間の総計が今年は毎日10時間近くにも膨れ上がっている。これでは、他に何もやれないのではと心配する。でも図4のエリクソンの調査結果が示すように、多くの人はTVを観ながら、インターネットを利用するようになってきているのだ。つまり、ながら族である。

(ソース:eMarketer、データ:Ericsson)

図4 テレビを観ながら、インターネットを利用する人が増えてきている

eMarketerは同時に、PC(デスクトップ/ラップトップ)およびモバイルの利用時間の推移も調査した。各国の結果は、日本は図5に、ドイツは図6に、そして米国は先の図3に示されている。モバイルの利用時間がPCの利用時間に追いつく時期が、米国が2013年とやはり早く、ドイツが16年前に、日本が16年に入ってからとなっていた。

(ソース:eMarketer)

図5 日本におけるモバイル利用時間とPC利用時間の推移。

(ソース:eMarketer)

図6 ドイツにおけるモバイル利用時間とPC利用時間の推移。

◇参考

(eMarketer)

(2016年11月18日「メディア・パブ」より転載)

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