維新の会 消滅か 橋下氏「維新、このままでは年内解散も」

11日に大阪市で開かれた大阪維新の会の全体会において、橋下徹共同代表は、維新の会は『選挙屋』になっていると述べた。参議院選に向け、今のままで変わらないならば、年内にも維新の会はなくなると、喝を入れた

橋下氏、維新の会に喝

11日に大阪市で開かれた大阪維新の会の全体会において、橋下徹共同代表は、維新の会は『選挙屋』になっていると述べた。参議院選に向け、今のままで変わらないならば、年内にも維新の会はなくなると、喝を入れた。

以下に、大阪維新の会全体会での橋下共同代表の挨拶内容全文を紹介する。

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みなさん、お疲れ様です。

日本維新の会、東京でも石原代表がコメント出していましたけれども、なかなか国民のみなさんから支持を得る力がなくなってきていることは確かで、全員でこれを認識しないと、以前と同じ形で政治活動をやっていても、有権者のみなさんから支持を得ることができません。

維新の会が今どういう状況になっているかというと、選挙屋になっているんじゃないかなと思います。選挙で議席を得ることが主目的になって、政治家が集まって、議員が集まって、とにかく選挙、選挙、当選、当選という状況になっている。大阪維新の会を立ち上げた時に、選挙で勝つのは手段であって目的じゃないですよね、ここだけは間違えないようにしましょうねと、メンバーで共通認識を持っていたかと思うんですけれども、組織が大きくなって国会議員団も入りこれだけの規模になって、全国各地で日本維新の会で公認候補を出すとなった途端に、どうも我々、選挙グループ、選挙屋になっているんじゃないかなと思います。

このあと参議院選挙の説明が松井幹事長から説明がありますけれども、あくまでも選挙は手段であって、目的は何か、そこを見失ったら有権者のみなさんはサッと引いていくと思います。

大阪維新の会をスタートして、選挙を通じてここまで来たその過程においては、目的、目標、政治行政改革だったり、新たな政策の実行だったり、政策実行というところを、きちんと目標に据えてやってきたかと思うんですけれども、どうでしょう。今、大阪維新の会で、政策目標は、もちろん、都構想に向かっては、一歩一歩進めています。都構想は制度設計の中身に入って、法定協議会で議論をしているところであります。これは来年の秋に住民投票となるわけなんですが、これだけでは有権者のみなさんはなかなか支持をしてくださらないんじゃないですかね。

ですからもう一度原点に戻って、政策実行の目標をしっかりと据える。今、知事と話をしましたけれども、僕が知事の時に、公務員制度改革、いわゆる、職員の再就職の禁止ルールと言うところに最初に取り組んだんですけれども、市長に転じて、府でやってきたところがやっぱり不十分だなと思うところもあります。今、大阪市役所でやっている再就職のルールは、府庁よりもはるかに厳しいものになっているんですね。そういうものを、府議会で追っかけてくれないと。そう言うもののの繰り返しで、大阪維新の会は、ここまで来たと思うんですね。

今の大阪市役所の再就職のルールと、府庁での再就職のルール、どこがどう違うのか、すぐにみなさん、ぽんと頭に浮かんで、こことここが違う、ここを変えなくてはいけないと、出てくるでしょうか。やっぱりこういうことを疎かにすると、有権者の皆さんに対するメッセージは本当に弱まるというか、一言二言、何か大きいことをボーンといったり、世間から耳目を集める言葉を発してこういうことをやっているよというアピールは、一時でサーッと引いていきますね。

大阪維新の会が地方議員の集団から、国政政党までなったというのは、もちろんそうしたパッとしたメッセージもあったんですけれども、やっぱり振り返って考えてみると、市議会も府議会も、政策目標政策の実行目標をしっかり持って、かなり細かなことを積み重ねてきたと思うんですね。世間からもたくさん批判もあり、コメンテーターからもさんざん批判も受けながら、それでも確実にひとつひとつ積み重ねてきて、今や安倍政権でやろうとしている、教育委員会改革なんていうのは、大阪教育基本条例と活性化条例の千分の1、1万分の1にも満たないことを、今安倍政権が必死になってやろうとしている。もう既に、教育基本条例と活性化条例なんていうのは、5年先、10年先のことを先取りして既にやっている。松井知事と来月アメリカに行ってきますけれども、アメリカでの教育改革は、教育基本条例、活性化条例でやっていることと、まったく軌を一にしているところでありまして、こういう積み重ねが有りまして、もちろん反対の意見も批判をするグループも当然出てきますけれども、それでも、応援してくれる有権者の方のほうが多くて、ここまで来たんではないかと思うんですね。繰り返しになりますけれども、我々、今、選挙屋になっているなと。維新の会、なんやねん、と。選挙で勝つことだけなのか。

国政政党では野党ですから、行政執行権を持っていませんので、あれをやるこれをやるというのはなかなか難しいですから、議員立法の提案だけでなく、大阪維新の会と日本維新の会の共同という事で沖縄に行って、きちんと辺野古移設ということを、地元の地域政党と協定というものを結んで、これは沖縄では大変なことです。地元で辺野古移設を言い切るということは大変なことですけれども、そういうことをやると政党そうぞうのみなさんが言い切ってくれまして、そのかわり、我々は地位協定の改定とか、沖縄にカジノを誘致していくとかをしっかりやって行きましょうという協定を結んできました。

それが世間に伝わるかというのはなかなか難しいですけれども、自分たちがやっていることがすぐにメディアに取り上げられて1億2千万人に伝えてもらうというような甘い世界ではないですから、伝えられるかどうかはともかく、とにかく、やる。一つ一つ積み重ねるということをやってきたからこそ、大阪維新の会があり、日本維新の会があるんですけれども、今、ちょっとその力が弱いなと思っております。

これから市議会でも、いろんな案件、課題を出していきますけれども、どれだけ実現できるかわかりませんけれども、もう一度府議会、大阪市議会、堺市市議会、もう一度原点に立ち返って、現状で満足する、現状を維持するということであれば、既存の政党で良いわけですね。でも、一歩でも二歩でも進んでゆく。以前改革をやったからといって、それでOKだ。それで1年も2年も過ぎてしまえば、2年前の改革というのは、既に古びたものになってしまうんですね。

改革なんていうものは、毎年毎年やっていかざるを得ません。もう一度、行政改革、財政改革、それから新しい政策実行、こういうことをもう一度見つめなおして、僕は府庁、府議会についてはですね、公務員の再就職ルールについては、大阪市レベルまで厳格化して欲しいと思っています。

1年前、2年前に僕がやって不十分だった点、まあなかなか、ボンと舵をきるというのは難しいところもあるかもわかりませんが、ただ、理屈のつくところ、なぜ市役所に入って、府庁よりも厳しいルールになったのかというのはいろんな理屈がありますので、市役所がそうやったんであれば、府庁もそれを追いついてもらう、また、府庁が新しいことをやれば、市役所も追いついて行くというようなことで、お互いに切磋琢磨してレベルを上げて行かないと、1年前2年前、ダブル選挙終わったあと、その後維新の会はどうなの?と、何がどうなったのというのが、多くの有権者の感覚ではないでしょうか。

参議院選挙も近づいて参りまして、そうは言いつつも、選挙できちんと議席を取らないと、目標とするところは実行出来ません。とは言いましたけれども、これまで行政が市役所が府庁が国にいろんなことを言っていても全然聞いてもらえなかったことが、確実に進んでいることも間違いないんですけれども、それで満足していてはダメですよね。

細かなことを言えば、独立行政法人の合併の規定ができたり、病院なんかでも公務員型の独法だったんですけれども、非公務員型の独法へ移行できる手続きが入りそうだったりとか、色々進んでいるところはあるんですけれども、これでは、有権者のみなさん全く納得をして頂けない。大阪維新の会が立ち上がったときは、そんなレベルではなかったと思うんですね。次から次へと財政改革や行政改革を打ち出して実行してきた。そういうことがあって、ダブル選挙も有り、衆議院総選挙でもなんとか、票を得たというところがあります。

もう一度言いますけれども、今の維新の会、やはり、実行力、その点については、ちょっと物足りない、現状で満足してしまっている。この程度でいいんじゃないかなと、国会議員54名、衆議院で当選した、参議院でもそこそこ当選すればいいんじゃないかなという気持ちが、もし僕らにあれば、それはすぐに有権者に見透かされてしまいますので、日本維新の会という東京本部ももちろんネジを巻いてもらわなければいけませんけれども、元々の母体である大阪維新の会が、まず我々がネジを巻いて、現状ではダメなんだ、もう一度、一歩でも二歩でも進んでゆくんだということを肝に銘じて、これから府政、市政しっかり執り行って行かなければ、維新の会は消滅ということになると思いますね。

このまま行けば、僕は年内消滅もありうると思っています。国会議員は任期が残るんでしょうけれども、有権者からはそっぽを向かれて、年内には消滅と、このままだったら有り得ると僕は思っていますのでもう一度しっかりネジを巻いて、目標と言いますか、政策実行といいますかをしっかりやる。行革、財政改革、政策実行を徹底してやるんだという認識を共通に持ってしっかり取り組んで行きたいと思います。

その過程で、参議院選挙がある。そして、参議院選挙はあくまでも手段であって、統治機構改革、国の形を変えるんだと、地方議員で、我々、地方の区議長や地方議員は、口を開けば国の形を変えるというのが好きなんですよ。でも口だけで、別に、変えるために何かやってきたわけではなかったと思うんですね。要望ばっかりで。でも、我々はそれを確実に実行しているわけですから、この政策実行の過程としての参議院選挙もしっかりたたかって、ただ、目標は、統治機構改革であり、大阪都構想であり、その他の政策実行であり、行政改革であり、ここを見失わないように、みんなで一致団結して、力をあわせて行きたいと思います。もう一回ネジを巻いて頑張って行きましょう。

(YouTube 「2013.5.11大阪維新の会 全体会議」より 2013/05/11)

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