午後3時のドル/円は、前週末のニューヨーク市場午後5時時点に比べて小幅ドル安/円高の101円付近。この日も、日中は日経平均の値動きに合わせて上下に振らされたが、終盤にかけては薄商いとなり、日経平均との連動性もやや弱まったが、株安を嫌気し上値が重い展開となった
Reuters

午後3時のドル/円は、前週末のニューヨーク市場午後5時時点に比べて小幅ドル安/円高の101円付近。この日も、日中は日経平均の値動きに合わせて上下に振らされたが、終盤にかけては薄商いとなり、日経平均との連動性もやや弱まったが、株安を嫌気し上値が重い展開となった。

日経平均

ロンドン、ニューヨーク両市場が休場となるこの日の午後の取引では、商いが大幅に細り、日経平均との連動性もうすれ、ドルは101円をはさんだ一進一退となった。

日経平均が急落・乱高下した23、24日の2営業日の間に、ドルは高値103.57円から100.65円まで約3円の急落を遂げた。このドル急落の際に、利食いまたは損切りによってポジションを大幅に圧縮した海外ファンド勢は、本邦投資家の出方をうかがう構えだという。

本邦機関投資家は「まだ、本格的に外債投資を始める気配はない」(ファンド)とされ、本邦勢が今後も外債投資に慎重で「財布のひもを緩めないようなら、円売りポジションのさらなる圧縮もありうる」(同)という。

主要生保決算では、今年3月末の外貨建て資産が9社合計で28.1兆円と昨年9月末から4.5兆円(19%)拡大した。外貨建て資産の拡大は期中の円安(20%)にほぼ見合っているため、会計上の評価増とみられている。

米商品先物取引委員会(CFTC)が24日発表したIMM通貨先物の取組(5月21日までの週)によると、円のネット売り持ち高は1兆1898億円と、前週の1兆1051億円から拡大し、2007年7月17日以来の水準となった。

一方、アベノミクスに便乗した一部のファンドは、1月から5月までの期間に昨年一年分の収益を計上したとされ、「早々と利益を確定して、休暇に入っているファンドもいる」(外銀)という。

市場では、このところの株式市場の波乱展開で、一時的にせよドル/円が100円割れとなる可能性が出てきたとする市場参加者が増えつつある。大手信託銀行の関係者は「心理的なサポートが100.50円、100円ちょうどで、(現状は)それを前にしてもみあっているというだけ。上値は完全に重くなってきているので、(下抜けるのは)時間の問題だろう」と話している。

100円を下回る水準では、海外勢の損失確定売り(ストップ)のポイントが細かく設定されているという。特に99.50円のストップの規模が大きいとされ、この水準を下回るとドル売りが加速する可能性がある。

(森佳子)

[東京 27日 ロイター]

注目記事