米投資ファンドのサーベラス
サーベラスは、3月12日から5月31日まで、1株あたり1400円で西武HDの株式の44.67%を上限としてTOBを実施した。取得期間中に買い付け目標の上限を36.44%(最大4%増)から44.67%に引き上げていたが、最終的に応募のあった株式数は初回の上限にも満たなかった。
Advertisement
TOBの下限は設定していなかったため、サーベラスは応募株数のすべてを買い付ける。これによりサーベラスは、発行済み株式総数の3分の1超を保有することになるため、合併や定款の変更などの経営の重要事項について、株主総会で議案を否決できる比率は確保する。
株式の買い増しによりサーベラスは、西武HDの経営への関与を強める狙いがある。このほか、6月開催予定の西武HDの株主総会で、独自の取締役の候補者を推薦している。
一方、西武HDは、会社側提案として独自の取締役候補を推薦していた。株主に対してはサーベラスのTOBや取締役候補を推薦する株主提案に応じないよう求め、両社の対立の構図は変わっていない。[東京 1日 ロイター]
(Reporting By Emi Emoto 江本恵美)