米株式市場、雇用統計控え反発

6日の米国株式市場は反発。ダウ工業株30種が約200ドル乱高下したほか、S&P総合500種は重要なテクニカル水準を割り込んだ後切り返すなど、7日の米雇用統計発表を控え、相場は終日、不安定な値動きとなった...
Reuters

6日の米国株式市場は反発。ダウ工業株30種が約200ドル乱高下したほか、S&P総合500種は重要なテクニカル水準を割り込んだ後切り返すなど、7日の米雇用統計発表を控え、相場は終日、不安定な値動きとなった。

ダウ工業株30種

ナスダック総合指数

S&P総合500種

S&Pは一時、50日移動平均の1604を割り込んだ。同指数が重要なテクニカル水準を割りむのは4月18日以来。ただ、S&P金融株

RDMフィナンシャルの首席市場ストラテジスト、マイケル・シェルドン氏は、テクニカル上で1600付近の水準を維持することは極めて重要なため、その水準から戻したことに驚きはないとの見方を示した。

FRBの金融緩和をめぐる不透明性や世界的に軟調な景気動向への懸念から、相場のボラティリティはここ数週間が高まってる。この日約196ドル乱高下したダウは、100ドル超下落する場面もあった。

シェルドン氏は「市場の動向は、流動性主導から経済ファンダメンタルズ主導の上昇に移行しつつある」と指摘した。

7日発表の5月米雇用統計が注目されている。米連邦準備理事会(FRB)が今後どの程度長い期間、資産買い入れプログラムを継続するかを占う手がかりとなり得る。エコノミストの間では、非農業部門の雇用者数が17万人増、失業率が前月から変わらずの7.5%になることが見込まれている

アナリストの間からは、ドルが対円やユーロで下落したことも米株価上昇への追い風になったとの指摘も聞かれた。雇用統計がさえない結果に終わり、FRBが現行の刺激策を維持する可能性があるとの見方が、ドル下落の背景にあるとみられる。

欧州中央銀行(ECB)はこの日の理事会で、金融政策の据え置きを決定した。ユーロ圏経済がリセッション(景気後退)から回復しなかった場合に導入する一連の措置を協議したものの、中銀預金金利のマイナス圏への引き下げなどは導入しなかった。

クレジットカード大手のアメリカン・エキスプレス

小売株も高い。米主要小売各社が同日発表した5月の既存店売上高は市場予想を小幅上回る伸びとなった。会員制倉庫型ストアのコストコ・ホールセール

ニューヨーク証券取引所(NYSE)、NYSE・MKT、ナスダックの出来高は約69億株と、今年の1日平均の約64億株を上回った。

騰落銘柄比率は、ニューヨーク証券取引所が約4対1、ナスダックが約2対1だった。[ニューヨーク 6日 ロイター]

(カッコ内は前営業日比)

ダウ工業株30種(ドル)

終値 15040.62(+ 80.03)

前営業日終値 14960.59(‐216.95)

ナスダック総合

終値 3424.05(+22.57)

前営業日終値 3401.48(‐43.78)

S&P総合500種

終値 1622.56(+13.66)

前営業日終値 1608.90(‐22.48)

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