くるみんマーク取得の企業が育児中の主婦を年間100人限定正社員として採用する新制度を発表【争点:少子化】

保険代理販売を行うフィナンシャル・エージェンシーは、子育て中の主婦を限定正社員として年間で100人採用する新制度を発表した。この制度には、週休3日や所定勤務時間の2時間短縮を設けた「時間短縮制度」や、6歳未満の子どもがいる場合に24時間/月、150時間/年を超える残業を強制的に禁止する「子守り帰宅制度」、子どものケガや病気、予防接種などのときに休暇を取得することができる「子ども介護休暇制度」などが盛り込まれている…
Pregnant businesswoman and colleague using tablet computer
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保険代理販売を行うフィナンシャル・エージェンシーは、子育て中の主婦を限定正社員として年間で100人採用する新制度「ジョブクリWoman」を、27日に発表した。

ジョブクリWomanは、働く意欲のある主婦のライフスタイルに合わせて設計された制度で、週休3日や所定勤務時間の2時間短縮を設けた「時間短縮制度」や、6歳未満の子どもがいる場合に24時間/月、150時間/年を超える残業を強制的に禁止する「子守り帰宅制度」、子どものケガや病気、予防接種などのときに休暇を取得することができる「子ども介護休暇制度」などが盛り込まれている。

限定正社員は、働く時間が短いなどの制限を設けるために、一般的に正社員よりは給与が低いとされるが、正社員と同様、雇用期限が縛られていないため、契約社員にあるような契約更新などの不安要素が減少する。ジョブクリWomanでは新年度ごとに制度を実施するとされ、時期を問わずに年間100人を限定正社員として採用するとしている。

ファイナンシャル・エージェンシーは、従業員の子育て支援なため、少子化対策に関する一定の基準を満たした事業主として厚生労働省東京労働局より認定され、「くるみん(次世代認定マーク)」を2013年5月9日付けで取得している。

「くるみん(次世代認定マーク)」は、雇用環境の整備に取り組む行動計画を立てて厚労省に届け出をし、さらに、2年〜5年間計画を実施して成果をあげた「基準適合一般事業主」だけが、利用を許される。子どもが小学校に入学するまで勤務時間短縮等の制度があるか、男性の育児休業等取得者がいるかなどが審査される。計画が終了した後に更にくるみん(次世代認定マーク)を利用したい場合は、新しく計画を届け出る必要がある。

朝日新聞デジタルによると、全国では2013年2月末では、延べ1442事業者しか取得できていないとのことだ(朝日新聞デジタル「育児後押し、15事業者 三重労働局「くるみん」認定」より。 2013/05/01)。

厚生労働省のホームページからは、基準適合一般事業主の名簿を、都道府県別に確認できるホームページにリンクが貼られている。東京都では毎年100社程度が認定を受けるが、2回目、3回目というように、繰り返し認定を取得する企業が多い。一方、地方の都道府県を見ると、これまで2件しか取得している企業がないなど、地域によって差があるのも現状だ。

産経ニュースは、5日、滋賀県のくるみん(次世代認定マーク)状況についての記事を掲載し、4日にくるみんマークを取得した運輸・倉庫業の「石部運輸倉庫」について下記のように報じている。

石部運輸倉庫は従業員150人でうち女性は19人。20~30代の運転手が増えたことなどから、産前産後の制度をまとめた冊子を製作したり、専用の相談窓口を設置したりした結果、平成23年3月からの約2年間で、男性3人、女性1人が育休を取得した。

(産経ニュース「県内初、運輸業で「くるみん」 湖南の「石部運輸倉庫」に交付 滋賀」より。)

中小企業へ制度が浸透しづらい傾向にあるが、マークが認定されている会社というだけで、子育て世代にとっては働きやすい会社とのイメージが湧くのではないか。

アベノミクスの成長戦略で、働きやすい会社を増やすとされている。取得には2年以上の計画実行が必要という制度であるため、雇用する側としても早めに取り組み始めておくことで、他社と差別化できるポイントになるかもしれない。

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