北朝鮮、初の「総合リゾート」建設へ

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が、同国初となる「ビーチリゾート」の建設を計画している。
Beach resort area south of Wonsan, East Sea of Korea, Democratic People's Republic of Korea (DPRK), North Korea, Asia
Beach resort area south of Wonsan, East Sea of Korea, Democratic People's Republic of Korea (DPRK), North Korea, Asia
Getty

朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が、同国初となる「ビーチリゾート」の建設を計画している。

韓国紙『中央日報』によると、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第一書記は、観光を促進する目的で、元山(ウォンサン)市の工業港をリゾート地に転換する計画を進めているという。

現在の元山市は、海軍基地のほかは工場が立ち並ぶ工業都市だが、今後はこの場所に金融街やスポーツ施設、娯楽施設を開発していく予定だという。開発計画は、「元山市総合計画」と呼ばれる文書にまとめられている。[元山市は日本海側にあり、新潟港に入港していた万景峰号の母港でもある。現在でも国際観光都市として開放されており、中国人の観光客が多い。金正恩第一書記の父親、金正日(キム・ジョンイル)氏が気に入っていた保養地のひとつでもあった]

イギリス紙『テレグラフ』によれば、北朝鮮はこの計画に際して外国人投資家を引き込み、資金を集める考えだという。韓国、ソウルの情報提供者は、「北朝鮮は、シンガポールの企業から100万ドル以上の出資を期待している」と話している。

今年はじめには、北朝鮮の国営メディアである朝鮮中央通信が、同国内にスキーリゾートを建設する計画を報じた。この記事には、雪に覆われた馬息嶺(マシンリョン)の建設現場を視察する金正恩第一書記の写真が掲載された。

[馬息嶺は、元山市の西側にある山並み。朝鮮新報の日本語版記事によると、現在人民軍が急ピッチでスキー場の建設を進めているほか、3つの郡にまたがる広大な台地に、牧草地や畑、畜舎、畜産物加工拠点、調整池、住宅、防風林なども造成している。北朝鮮では、「社会のあらゆる面で馬息嶺速度を達成しよう」というキャンペーンが行われている。以下の動画は、平壌で市民10万人が集まって行われた、馬息嶺計画を推進するための集会]。

AFP通信の記事によれば、欧米からは毎年4000~5000人の観光客が北朝鮮を訪れているという。

しかし、外国人観光客が自由に行動ができるわけではない。最近、北朝鮮を旅行したジュリエット・リックス氏は、BBCの記事の中で次のように語っている。「北朝鮮は、観光ルートが決められたツアーへの参加でのみ訪問できる。訪問先で自由に行動することは許されない。地方での滞在中には、ホテルの出口に向かって歩いただけで、どこからか突然4人の兵士が現れ、慌てた様子で大声をあげていた」

[日本の外務省は、2006年の北朝鮮の核実験に伴って「北朝鮮に対する渡航情報(危険情報)」を出し「渡航を自粛してください」としている(罰則はない)]

[The Huffington Post UK (English) 日本語版:兵藤説子、合原弘子/ガリレオ]

関連記事

金正恩氏とロッドマン氏

【北朝鮮】金正恩氏関連の写真集

注目記事