吉見義明教授、「『捏造』発言で名誉傷つけられた」と維新・桜内文城議員を提訴

従軍慰安婦問題を研究する吉見義明・中央大教授が26日、日本維新の会の桜内文城衆院議員に対し「記者会見の場で自著の内容を捏造と言われ、名誉を傷つけられた」として、1200万円の損害賠償と謝罪広告の掲載などを求める訴訟を東京地裁に起こした。 産経ニュースなどが報じた...
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従軍慰安婦問題を研究する吉見義明・中央大教授が26日、日本維新の会の桜内文城衆院議員に対し「記者会見の場で自著の内容を捏造と言われ、名誉を傷つけられた」として、1200万円の損害賠償と謝罪広告の掲載などを求める訴訟を東京地裁に起こした。 産経ニュースなどが報じた。

産経ニュースが訴状の内容を次のように伝えている。

訴状によると、桜内氏は今年5月27日に日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)が日本外国特派員協会で行った会見に同席。司会者が吉見教授の著書を紹介した後、「吉見さんという方の本を引用されておりましたけれども、これは既に捏造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされております」と発言した。
(産経ニュース「「『捏造』発言で名誉毀損」 中大教授が維新議員を提訴」 2013/7/26 13:08)

朝日新聞デジタルによると、吉見氏は6月、発言の撤回と謝罪を求めたところ、桜内氏は「『これは』というのは司会者の別の発言を指したもので、吉見氏の著書を指したものではない」と反論したという。

会見の様子は動画サイトでも配信されている。桜内氏は「文脈から、著書を捏造と指摘したのは明らか。研究者としての名誉と信用が著しく傷つけられたうえ、発言の映像がインターネットで世界中に繰り返し流され、苦痛を受け続けている」と訴えている。桜内氏の事務所は「訴状が届いていないので、コメントは差し控える」としているという。

慰安婦問題などをめぐる一連の発言に関して、橋下市長は5月27日、日本外国特派員協会で記者会見を開いた。質疑応答に入る前、桜内氏は「コメントがある」として、次のように述べている。発言内容は英訳され会場の外国人記者らに伝えられた。

一点だけ、先ほどの最初の司会者の紹介の点について、少しコメントいたします。橋下市長を紹介するコメントの中で、彼はセックス・スレイヴァリーという言葉を使われました。これは日本政府としては強制性がないということ、その証拠はないということをいっておりますので、そのような言葉を紹介の際に使われるのはややアンフェアーでないかと考えております。

それから、ヒストリーブックスということで、吉見さんという方の本を引用されておりましたけれども、これはすでに捏造であるということが、いろんな証拠によって明らかとされております。この点についても付け加えてコメントしておきます。

(「【2013.5.27】橋下徹 大阪市長 記者会見(主催:日本外国特派員協会)」)

吉見教授は6月、橋下市長の発言で名誉を傷つけられたとして、発言の撤回と謝罪を求め、公開質問状を市に提出。質問状の中で、桜内氏の発言に対しての見解も求めていた。

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