イタリアのベルルスコーニ元首相(76)が所有する企業「メディアセット」の巨額税金詐欺事件で、イタリア最高裁は1日、下級審判決の禁錮4年(恩赦法で1年に減刑)を支持し有罪とした一方、公職禁止5年についてはミラノ高裁に禁止期間を再検討するよう審理を差し戻す判決を出した。朝日新聞デジタルが伝えた。
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NHKによると、イタリアのベルルスコーニ元首相は、所有するテレビ局のグループ企業がアメリカから映画などの放映権を購入した際、外国の別の会社を経由して実際より高い価格を支払ったように見せかけ、およそ9億円を脱税した罪に問われていた。
朝日新聞デジタルによると、一審判決ではこの詐欺の枠組みをつくったのが元首相とし、高裁判決はこの一審判決を支持。最高裁もこの事実認定についての判断は変えなかった。
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70歳を超える元首相の場合、禁錮刑は自宅で監視下に置かれる可能性が高く、その間の行動の自由は制限される。公職禁止で議員を失職させるには、上院の承認がいる。
NHKによると、ベルルスコーニ元首相は今回の脱税事件のほかに、首相在任中の3年前、当時17歳だった未成年の少女に金銭を支払って性的な関係を持ったとして買春と職権乱用の罪などでも起訴されているが、主な裁判で有罪判決が確定したのはこれが初めてとなる。
連立与党にも加わる議会第2の勢力の中道右派連合を率い、イタリア政界で大きな影響力がある元首相の有罪判決が確定したことで、イタリアの政治が不安定化する可能性があり、信用不安の後遺症を引きずる経済に影響を及ぼすことも予想される。
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ハフィントン・ポストイタリア版では、ベルルスコーニ元首相有罪判決の速報をトップで伝えている。
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