地球温暖化の影響で、リンゴの酸味が減って甘みが増していることが分かったと、農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所(茨城県つくば市)などのチームが8月15日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツ電子版に発表した。共同通信が伝えた。
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NHKによると、果樹研究所は長野県と青森県で収穫されたリンゴの甘みが気温の変化によってどのように変わったのかを調べた。その結果、3年前に長野県で収穫されたリンゴの「ふじ」は、その30年前に収穫されたものに比べて、果汁に含まれる酸の割合が14%減った一方、糖度は5%上がっていたという。また、青森県で収穫されたリンゴについても、ほぼ同じ結果が得られたという。
2つの県ではいずれもこの30年間に平均気温がおよそ1度上がっているということで、研究グループは気温の上昇によってリンゴの呼吸が加速し、含まれる酸の消費が進んだうえ、実になる時期が早まり、糖分を作り出す光合成の期間が長くなったと説明している。そして、「地球温暖化によってリンゴの甘みが増した」と結論づけた。
ロイターによると、同研究所の杉浦俊彦上席研究員は「温暖化が作物の収量や収穫日に影響することは知られていたが、果物や野菜の味が変わることを裏付けたのは世界で初めて」としている。
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