中国の女優チャン・ツィイーはこの7月、花模様をあしらったガウンと金の王冠を身に付けてレッドカーペットに登場した。王冠といえば、今年のMETガラ(米ニューヨークのメトロポリタン美術館で毎年開かれるパーティーで、ファッションの祭典として知られる)でのケイティ・ペリーの例もあったことから、我々はこの組み合わせが「ばかげたファッション」になると想像していた。
しかしどうだろう。我々が実際に目にしたのは、エレガントで洗練されていて、ファッショナブルなツィイーの姿だった。
アジア系のファッションアイコンを、ほかにも数多く目にするようになった。ツィイーはそのひとりにすぎない。
ファッション業界で新しい影響を生み出すアジア系の人たちが登場しつつある。彼らのスタイルはどれも個性的で、それがケープであろうと、斬新なヘアスタイルや舞台衣装風のデザインであろうと、誰よりも早くトレンドを取り入れているように見える。
以下では、我々が注目しているアジア系のモデルやデザイナー、女優を紹介しよう。
1. チャン・ツィイー:
『グリーン・デスティニー』や『SAYURI』などの映画に出演した中国の女優だが、我々が注目するのは、彼女の「完璧なファッション」だ。
息をのむようなイブニングガウンでドレスアップした姿も、スタイリッシュなスニーカーで街を歩く姿も、いつでも無理なく自然にキマっている。
2. ファン・ビンビン:意外なことではないが、ビンビンは中国紙『新京報』の「中国でもっとも美しい50人」のトップに選ばれている。
女優、歌手、プロデューサー業をこなす彼女は、さまざまなスタイルのファッションを見事に着こなしている。もっとも印象的だったのは、6月にルイ・ヴィトン瀋陽市店のオープニングパーティーで披露した、洗練されたボブのヘアスタイルだ。
3. アレキサンダー・ワン:台湾系アメリカ人デザイナーのワン(29歳)は、黒を多用して、ベーシックでありながらも親しみやすい洋服を作り出している。そのミニマルで先進的なデザインは、米国のおしゃれな若者たちの間で大人気だ。
自身のブランド「T by Alexander Wang」が7月初旬にニューヨーク市で開催した「秘密イベント」では、多くの熱心なファンが数時間前から詰めかけ、ハイライン公園に長蛇の列ができた。入場は先着順となり、参加した150人には、同ブランドの服が無料で提供された。
左:2013年のMETガラに出席したワンと、女優のジュリアン・ムーア、右:2013年秋冬コレクションから
4. リウ・ウェン:
中国のファッションモデルであるウェンは、雑誌『ヴォーグ』の表紙を2回飾ったほか、シャネル、ドルチェ&ガッバーナ、ジャン=ポール・ゴルチエのショーに出演した経験を持つ。また、アジア人として初めて、化粧品ブランドのエスティローダーの広告モデルにも起用されている。
5. 菊地凛子:
代表的なスタイル:米国ハリウッドで行われた『パシフィック・リム』のプレミアでは、前衛的なアール・デコ風のドレスで登場した。両サイドに深いスリットが入り、着こなしが非常に難しいドレスだが、後ろでまとめたヘアスタイルと鮮やかな赤い口紅で、見事に完成させている。
6. キャロル・リム:
中国系アメリカ人のリムは、デザイナーやマーチャンダイザーを目指す人にとって、お手本のような存在だ。米国カリフォルニア大学バークレー校を卒業した後、ファッション業界でキャリアをスタートさせたが、同じ業界で働いていた友人のウンベルト・リオンと共に仕事を辞め、香港へと旅行に出かけた。旅先で見た「アジアのショッピング事情」に魅了された2人は、「自分たちのルールでファッションゲームをする」と決意。画期的なファッションストア「オープニングセレモニー」のオープンにつながった。
リムは、新たなデザイナーを発掘する能力に長けており、メゾン・マルタン・マルジェラ、ロダルテ、TOPSHOPなどのブランドと良好なパートナーシップを結べたことから、ニューヨーク市の小さな店舗であったオープニングセレモニーをグローバルブランドへと成長させた。現在は、ロンドン、東京、ロサンゼルスなどの都市に店舗を展開している。
左:2013年3月に行われたイベントに出席するレオンとリム。右:ウェブサイトでは、ヴェルサス・ヴェルサーチのドレスがセール価格で販売されている
7. ジ・ハイ・パク:
韓国出身のパクは、現在ファッション業界でもっとも人気のあるファッションモデルの1人だ。クリスチャン・ディオール、プラダ、ドルチェ&ガッバーナ、クロエ、ケンゾー、ランバン、ミッソーニ、ヴェラ・ウォンのショーに出演するほか、ディーゼルやルイ・ヴィトンの広告にも起用されている。
8. ユーニス・リー:
アジア系アメリカ人の女性デザイナーであるリーは、「Unis」というブランドを立ち上げ、優れたメンズウェアを作り出している。気取らないベーシックな洋服は、発表以来、ニューヨークで多くのファンを集めている。
『GQ』誌が2010年に開催した「ベスト・ニュー・メンズウェアデザイナー」のパーティーに出席したリー
[Renee Jacques(English) 日本語版:兵藤説子/ガリレオ)]