麻生太郎財務相、消費増税見送りなら株価が下落する可能性を示唆【争点:アベノミクス】

麻生太郎財務相は、消費増税を見送れば株価が下落する可能性があると述べた。
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麻生太郎財務相は、消費増税を見送れば株価が下落する可能性があると述べた。

麻生太郎財務相は30日午前の閣議後会見で、消費増税を見送れば、日本は財政再建を先送りしたとして株価や国債価格が下落する可能性があると懸念を示した。同時に、けさ発表された7月失業率など一連の経済指標は、予定通りの消費増税の判断に「影響する」と述べた。

財務相は消費増税について「消費増税をしなかった場合、日本は財政再建をする気はないと取られて、株を一斉に売り浴びせられるマイナス、国債が下がることも考えられる」と指摘。続けて「そういった情勢の中で、日銀が下がり続ける国債を買い続けられるかなどを考えた時のマイナス面は、誰も発言していない。財政再建を踏まえながらやる姿勢がないと、今の状況は持ちこたえられない」などと話し、予定通りの消費増税が必要だとする見解をあらためて示した。

ただ、財務相は同時に、年初に編成した補正予算や本予算が「結果として株価が上昇するとか、GDPがプラスに転じるとか、いくつかの経済指標が上向く結果を出せたのは事実」とも言及。「経済政策として継続していく姿勢は間違っていない」とも話した。

<失業率などの経済指標、消費増税判断に影響>

けさ発表された7月失業率など一連の経済指標については「流れとしてはいい傾向」と評価。消費増税の最終判断に向けて「総じて景気が上昇しつつあることを意味している。消費税を上げるにあたって影響する指数だと思っている」と述べた。

<来年度予算、財政再建と成長の両方考える>

来年度の予算編成については「成長優先にならざるを得ないタイミングもあるし、財政再建に目を置いていると言わないといけない。この予算でも財政再建と経済成長の両方を考えるところが、ハンドリングの難しいところ」との考えを示した。月末に締め切る概算要求額についてのコメントは避けた。

<サミットでは中期財政計画を説明>

来週ロシアで行われる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)に向けては、自身も出席することを明らかにしたうえで「中期財政計画の内容を説明する。日本としてどう(財政再建を)やっていくかを説明する責任がある」とした。

<シリア情勢、原油価格以外にも影響>

シリア情勢に関しては、原油価格動向が「直接影響する」としながら、内戦の影響が周辺国・地域へ伝播すれば、貿易や外交など幅広い分野で「ずいぶんと影響が出てくるのではないか」と懸念を示した。

(ロイターニュース 基太村真司:編集 内田慎一)

[東京 30日 ロイター]

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