国内で国内で唯一運転している大飯原子力発電所の2基のうち、3号機が定期検査のために運転を停止する。関西電力は、9月2日夕方から定期検査に向けて運転を停止する作業を始め、3日未明に原子炉を止める予定だ。NHKニュースによると、残る大飯原発4号機も15日に定期検査のため停止する予定とのこと。4号機が止まると、昨年7月以来、約1年2か月ぶりに国内の原発稼働はゼロとなる。
大飯3、4号機は2012年7月、東京電力福島第一原発の事故後、当時の民主党政権の決断で初めて再稼働した。7月8日に原発の新規制基準が施行された後も、原子力規制委員会は定期検査に入る9月まで運転継続することを認めていた。通常、原発の定期検査期間は4カ月程度だが、点検後に再稼働できるかが不透明なため、燃料集合体を何体交換するかなどはまだわからないという。
最高気温が30〜32度と厳しい暑さが和らぎ、冷房などの電力需要が一服するとみられている。関電によると、3号機停止後から1週間の電力需給は、電力使用率79~82%にとどまる見通しとのことだ。しかし、気象庁は10月まで「全国的に高温傾向が続く」と予想しており、残暑が厳しくなれば需給に影響を及ぼす恐れもあるという。
これをふまえて関西電力は8月27日、高効率のコンバインドサイクル方式に更新した姫路第2火力発電所の新1号機の営業運転を始めた。コンバインドサイクル方式は、ガスタービン発電と蒸気タービン発電を組み合わせる発電方式で、エネルギー効率が従来の42%から60%に向上するという。関西電力は2015年6月までに、姫路第2火力発電所の全6基を、コンバインドサイクル方式の設備に順次更新する。
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