10年かけて「ナウシカのメーヴェ」を本当に飛ばしたアーティスト、八谷和彦さん 個展「OpenSky 3.0 」が開催中

10年かけて、宮崎駿監督の人気作品「風の谷のナウシカ」に登場する一人乗り飛行機、メーヴェを、本当に作ってしまった人がいる。メディアアーティスト、八谷和彦さん。9月15日まで開催中の個展「OpenSky 3.0 ―欲しかった飛行機、作ってみた―」ではこれまで制作されて機体を展示、その全貌が明らかとなっている。
ハフィントン・ポスト

10年かけて、宮崎駿監督の人気作品「風の谷のナウシカ」に登場する一人乗り飛行機、メーヴェを、本当に作ってしまった人がいる。メールソフト「ポストペット」の開発者としても知られるメディアアーティスト、八谷和彦さん。模型の制作からスタートしたプロジェクトは人力によるグライダー機の飛行を経て現在、最終目標であるジェットエンジン搭載の機体による飛行テスト段階へ。東京都千代田区の「3331 Arts Chiyoda」で9月15日まで開催中の個展「OpenSky 3.0 ―欲しかった飛行機、作ってみた―」ではこれまで制作された機体を展示、その全貌が明らかとなっている。

このプロジェクトは、2003年のイラク戦争開戦をきっかけに始まった。大国同士の戦争に巻き込まれた「風の谷」のため、戦場に身を投じたナウシカと、日米安保からイラク戦争に関与した日本を重ねてみた八谷さんは、「いつか現れるナウシカのために」メーヴェを作ろうと決意したという。

2分の1スケールの模型制作からスタートし、ゴム索引という人力で飛ばすグライダー機を経て、現在はジェットエンジンを積んだ機体の飛行テストを行っている。個展では、これらの機体を展示。また、シミュレータでオープンスカイによる飛行の追体験もできる。

折しもこの夏は、零戦の設計者、堀越二郎に着想を得た宮崎監督の映画「風立ちぬ」がヒット。映画では大戦に巻き込まれながらも、美しい飛行機を作りたいという二郎の思いが描かれていた。そして今、シリアをめぐる国際情勢が大きく動こうとしている。時代の風はどこに向かって吹いているのか。私たちは、八谷さんが作った美しい飛行機からその答えを見い出せるかもしれない。

個展では9月14日にこのプロジェクトを書籍化した「ナウシカの飛行具、作ってみた」(幻冬舎)の出版を記念するトークイベントを開催。翌15日には、巨大ロボットを制作している造形作家の倉田光吾郎さん、特撮監督の樋口真嗣さん、マンガ家でイラストレーターの寺田克也さんらが参加するトークイベント「特撮ナイト!」が開かれる。

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八谷和彦個展「OpenSky 3.0」

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