フランス、シリア化学兵器国際管理決議案めぐり英米と協議 シリアは受け入れへ

国連安保理の常任理事国フランスは9月10日、シリアのアサド政権に化学兵器の国際管理を義務付けることを柱とする安保理の決議素案を常任理事国のアメリカ・イギリス両国に示し、非公式協議を開始した。これに先立つフランスのファビウス外相の発表では、決議素案は強制措置を定めた国連憲章第7章に基づき、違反した場合には武力行使を含む制裁措置を可能にする内容とされる。

国連安保理の常任理事国フランスは9月10日、シリアのアサド政権に化学兵器の国際管理を義務付けることを柱とする安保理の決議素案を常任理事国のアメリカ・イギリス両国に示し、非公式協議を開始した。これに先立つフランスのファビウス外相の発表では、決議素案は強制措置を定めた国連憲章第7章に基づき、違反した場合には武力行使を含む制裁措置を可能にする内容とされる。時事ドットコムが伝えた。

ロイターによると、ファビウス外相は会見で、平和の回復のための軍事的措置の可能性を定めている国連憲章第7章下のこの決議は、シリア政府に対し「即刻」保有する化学兵器の規模を公表し、廃棄に向けて国際管理下に置くことを要求する、と述べた。

ロシアのラブロフ外相によるシリアの化学兵器を国際管理下に置くという提案についてファビウス外相は、「この提案がわれわれの注意をそらすために利用されることを避けなくてはいけない」と述べた。

米英仏の3カ国首脳は、シリア政府による化学兵器使用疑惑をめぐる問題を外交手段を通して解決する意向を持っている。アメリカのホワイトハウスのカーニー報道官が10日、明らかにした

オバマ大統領はこの日、フランスのオランド大統領とイギリスのキャメロン首相と電話で会談。カーニー報道官によると、外交手段を通した解決が望ましいとの立場について意見を交換すると同時に、「幅広い対応策」の検討を継続することの重要性についても強調した。

■ オバマ大統領、テレビ演説で「軍事介入圧力でシリアが譲歩」と主張へ

アメリカのオバマ大統領は、シリア情勢について10日夜、日本時間の11日午前、ホワイトハウスから全米に向けてテレビ演説を行う予定

ロイターによると、オバマ大統領はこの日予定されている演説で、なぜシリア軍事介入に関し議会の承認を求める決定を行ったのか説明すると明らかにした上で、前日のテレビインタビューで行ったように「米軍事力の確かな脅威により外交面で一定の潜在的な前進が得られた」ことに言及すると述べた。

「これまでアサド政権は化学兵器の保有を決して認めなかったが、今では認めている」とした。

カーニー報道官は「これはオバマ大統領が中心となって推進していた行動の副産物」だと指摘。一方でシリアの意図については「疑いを抱く多くの理由がある」とも述べ、懐疑的な姿勢を崩さない立場を明確にした。

「まずは、シリアが真剣、かつこれまで保有を禁じる国際規約に反して何十年も管理していた化学兵器を放棄するよう確実にする必要がある」と述べた。

■ アメリカ議会、化学兵器国際管理の時間的猶予を与えるため武力行使決議案修正

アメリカ議会が準備している対シリア武力行使を承認する決議案について、民主・共和両党の上院議員は、シリアの化学兵器を国連の管理下に置くための時間的猶予を与えられるよう、決議案の修正を行っている。複数の議員側近が10日、明らかにした

修正案の作成には超党派の議員が関与。民主党からはメネンデス上院外交委員長、レビン議員、シューマー議員ら、共和党からはマケイン議員、グラム議員らが参加している。

■ シリア、ロシアの化学兵器国際管理案受け入れへ

ロシアのラブロフ外相は10日、シリアのアサド政権に提案した化学兵器の国際管理についてシリア側と詳細を協議しているとし、「近く効率的で明瞭、具体的な計画を提示したい」と語った。モスクワを訪問しているシリアのムアッリム外相は同日、シリア政府がロシア提案の受け入れを決めたことを明らかにした

ムアッリム氏は10日、国際管理に同意したのは「アメリカによる侵略の根拠を崩すためだ」と述べた。

また、シリアのハラキー首相は10日、アメリカによる軍事介入回避に向け、「シリア国民の流血を避けるため」、政府はロシアのイニシアチブを支持すると述べ、化学兵器を国際管理下に置くとのロシアの提案をシリア政府が支持することを明らかにした

シリアのアサド政権と同盟関係にあるイラン外務省のアフハム報道官は、10日の記者会見で「シリアの危機的な状況を終わらせようとするロシアによる提案は、この地域が戦争状態に陥ることを防ぐものであり、歓迎する」と述べ、支持する意向を示した

■ 安倍首相、プーチン大統領と電話協議「ロシアの提案支持する」

安倍晋三首相は10日夜、ロシアのプーチン大統領とシリア情勢をめぐり電話で協議した。首相は、シリアの化学兵器を国際的管理下に置くというロシアの提案について「前向きなものと評価し、支持する。アサド政権の真摯(しんし)な対応の有無などを注視する」と語った

首相は「シリア情勢の正常化に向け、積極的に貢献していく」とも述べた。プーチン氏は「現在シリア側に働きかけている。作業は難しいが、一定の進捗(しんちょく)がある」と応じたが、具体的な中身には触れなかった。

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