マララさん、自伝で銃撃の瞬間を綴る タリバンは改めてマララさん殺害を予告

パキスタンで女性が教育を受ける権利を訴え、2012年10月9日にイスラム組織タリバンから銃撃された16歳の少女マララ・ユサフザイさんが自伝『アイ・アム・マララ』を発売したが、タリバンの広報官が改めて彼女の命を狙うことを表明し、「彼女を殺害することを誇りに思うだろう」と語った。

パキスタンで女性が教育を受ける権利を訴え、2012年10月9日にイスラム組織タリバンから銃撃された16歳の少女マララ・ユサフザイさんが自伝『アイ・アム・マララ』を発売したが、タリバンの広報官が改めて彼女の命を狙うことを表明し、「彼女を殺害することを誇りに思うだろう」と語った。ハフィントンポストUK(イギリス)版が伝えた。

NHKニュースでは、次のように伝えている。

自伝の中でマララさんは、銃撃された時の状況について、通学バスを男が手を振って止めた直後、顔を覆った別の男がバスに乗り込んで来て「マララはどこだ?」と声を上げ、拳銃を取り出し発砲したと記しています。

また、1週間後に意識が戻った際、最初に思ったことは「神様ありがとう。私は死んでいない」だったと明らかにするとともに、会話ができず左目は物がはっきり見えないなか、筆談や示された地図で自分がイギリスにいることが分かったとしています。

(NHKニュース「マララさん 発売の自伝で銃撃記す」より 2013/10/09 5:08)

パキスタンのタリバン広報官シャイドゥラ・シャヒード氏は、マララさんが自伝を発売する2日前に、マララさん殺害予告を表明した。

シャヒード氏はアメリカのABCニュースに対して、「マララ・ユサフザイは標的になっている。そして(彼女は)イスラムを批判している」と語った。

「彼女はイスラムの教えに反している。だから我々は彼女を殺害しようとしている。もし再び機会がめぐってきたら、我々は間違いなく彼女を殺害する。そして我々は彼女を殺害することを誇りに思うだろう」

事件当時は15歳だったマララさんは、パキスタン北西部のスワット渓谷にある学校から家に帰る途中で銃撃された。

彼女はイギリスに移送され、バーミンガムのクイーン・エリザベス病院で専門医の治療を受けた。弾丸が脳を「かすめた」状態でかろうじて一命を取り留めた。

自伝が発売され、ノーベル平和賞候補として名前が取り沙汰されているマララさんにとって重要な1週間となる今週、タリバンから殺害予告が発せられた。

昨年の11月、ファトワ(イスラム法に基づく死刑宣告)が彼女に下されたとき、イギリスのイスラム教聖職者アンジェム・チョウダリー氏はマララさんが標的となることに「驚きはない」とし、彼女はイスラムの法廷で裁きを受けるべきだと述べた

「この少女のように信仰を捨てるような人間がいたとしよう。この少女はアメリカ人と連帯し、もっとも尊敬する人物は(バラク・)オバマだと言い、シャリーア(イスラム教の法典)やヒジャーブ(イスラム教徒の女性が顔を隠すために使うスカーフ)を必要とせず、無信仰の国で生活したいと望んでいる。そんな人間は自らを非常に危険な状況へと追い込むことになる」

マララさんは11歳の頃から教育を受けることの困難を綴っている。「私は教育が広く普及する国になることを夢見ている」と彼女は記している。

彼女の匿名のブログは当初BBCのウルドゥー語版で発表され、スワット渓谷に入り込んできたタリバンの残虐行為について綴り、世界的な称賛を得るに至った。

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