
ハフィントンポスト各国版11月12日のスプラッシュを紹介します。スプラッシュとは、ハフィントンポストのトップ記事のこと。
カナダ版では、アフガニスタン従軍中にアメリカ軍の誤射で瀕死の重傷を負ったにもかかわらず、生涯補償がわずか200万円しか支払われなかった退役軍人の告白を紹介しています。

2006年9月4日、アフガニスタンのカンダハル東部マスムガールに従軍していたモンクールさんは、アメリカ軍の爆撃機から誤射を受け頭部を負傷、脳の5%が摘出されました。その瞬間のことを彼はこう語っています。
「爆撃があった次の瞬間、私は空中に投げ出されました。ただ投げ飛ばされたのです。私は地面にたたきつけられ、その衝撃で意識不明になりました」
砂の上は血まみれとなり、彼の耳と鼻から黄色い液体が流れ出てきました。彼は地面にたたきつけられた瞬間、ひたすら「神よ、愛しています」と繰り返しつぶやいていました。
その時、彼はあきらめていました。家に帰ることはできないだろうという事実に身を委ねるしかありませんでした。
その時、22歳。
アフガニスタンに来てまだ3週間しか経っていませんでした。
7年経って、彼はオンタリオ州ウィンザーにある自宅にいます。
現在、カナダでは退役軍人に対する障害年金を最高で月額2397カナダドル(約22万円)までとし、生涯無税で、配偶者や子どもにも支払われます。しかし支払いは一括で1回のみ、しかも軍隊の地位や任務の適格性によって支払総額が決められてしまいます。
モンクールさんに支払われた金額は、2万2000カナダドル(約207万円)少々。
「信じられませんでした。少なくともその6倍くらいの金額になると見込んでいたのです。つまり、私は『脳』を失っただけに過ぎないと」
名誉を貶められたと感じているモンクールさんは、個々のケースを顧みず、補償をひとくくりにされてしまう退役軍人についてこう話しています。「19歳であろうと、105歳であろうと、一人の退役軍人でしかないんです」
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