魔法の指輪、Facebookで家探し――日本のイケてるベンチャー大集合「TechCrunch Tokyo 2013」

日本では有望なベンチャーが育たない? いやいやそんなことはない。GoogleやTwitter、Facebookだけがネットベンチャーではない。11月11日から12日にかけて開催されたイベント「TechCrunch Tokyo 2013」に登場したスタートアップ企業の中から、ユニークな企業をいくつか紹介したい。
The Huffington Post

日本では有望なベンチャーが育たない? いやいやそんなことはない。GoogleやTwitter、Facebookだけがネットベンチャーではない。11月11日から12日にかけて開催されたイベント「TechCrunch Tokyo 2013」に登場したスタートアップ企業の中から、ユニークな企業をいくつか紹介したい。

■リモコン、メール、なんでもできる“魔法の指輪”

プレゼン大会で優勝したのは「2〜3年後の当たり前を作る」と豪語する株式会社ログバー。2014年に発売する“魔法の指輪”ともいうべきウェアラブルデバイス「Ring」は、もっとも夢のある発表だった。まずは以下のコンセプトムービーを見ていただきたい。

この指輪を身につけてジェスチャーするだけで、テレビやオーディオなどネットにつながった機器の操作や、カード決済、メッセージでのコミュニケーションなどができるようになるという。さまざまなデジタル機器やウェブサービスと連携できるように、開発者に仕様を公開する。発売は2014年。価格は1〜2万円を予定する。

■Facebookを使って効率的な部屋探し

引っ越しの際、賃貸情報サイトを検索して物件に狙いを定め、仲介業者に電話したがお目当ての物件はなく、けっきょく別の物件を借りた、という経験は多くの人が経験しているところ。条件を登録すると勝手に探してくれるウェブサービスがある。「ietty」(イエッティ)だ。

Facebookから登録し、部屋の条件を伝えるだけで、iettyに登録している不動産仲介業者の営業マンが自ら物件を提案してくれる。提案された物件に対して「スミタイ度」をつけていくことで好みを記憶し、より精度が高まるという。「そもそも本当にいい目玉の物件はネットには載らない。結局足を使わなければいけない物件探しを変えたい」と住友不動産出身の小川泰平CEOは言う。

ネット上で好みを明らかにし、実際にサイトに登録した業者の営業マンとやりとりしながら物件選びをするため、来店時の契約率は80%を超えるという。営業マンの評価ランキングもあり、質の低下も防いでいる。

■スマホとウェブで家計簿サービスが中小企業支援にも

いろいろなサービスがネットとウェブブラウザやスマホで完結する、「クラウド化」もまた近年特に進んでおり、資産管理・家計簿サービスの「MoneyFoward」は人気サービスのひとつだ。

MoneyFowardは、さまざまな銀行や証券会社、クレジットカード会社のオンラインサービスに接続して、資産・負債を一括で管理し、スマホやウェブで見られるのが特徴。こうした家計簿アプリやサービスは競合が多いが、MoneyFowardが11月から提供するのは「中小企業の会計支援」。中小企業向けの会計ソフトは様々あるものの、クラウド化が進んでいない。約1,000億円の市場規模を狙う。ウェブブラウザ上で入力するだけで仕分け、財務分析ができるほか、スマホアプリで領収書の写真を取るだけで支出記録を取る機能を提供するという。月額1,980円で提供する。

■企業のウェブサイトの改善を

「planBCD」は、世界中にいる「カイゼンのプロ」の力を借りて、オンラインショッピングサイトなどのインターフェイスを改善できるサービス。

通常、自社のウェブサイトを改善するには、ウェブ解析による現状分析、改善、効果測定といった作業が必要になる。このためにはウェブマーケティング、エンジニアリング、デザインといったスキルが要り、発注側の負担が大きい。

planBCDではこのウェブサイト改善業務をまるごと請け負ってしまうサービス。オンライン上で作業を発注すると、運営側がパートナーシップを結んでいる200人以上のクリエーターにオファーが届く。オファーを受け取ったクリエーターが作成した複数の結果を、ウェブ上の比較テストにかけ、もっとも効果が高かった改善結果を最終的に反映させる。発注側は知識を必要とせず、自社のウェブサイトを最適化できるサービスだ。一方、クリエーター側は高い結果を出せば出すほど儲かる仕組みになっている。

大企業向けのサービスを3カ月前から提供しており、受注額は2億を超える。アメーバピグ、ポンパレ、ゼクシィ、ホームズなどのウェブサイトが導入しているという。創業以来毎月2.5倍の伸びを見せており、今後は海外展開も予定。3年で売上100億円を目指す。

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています

関連記事

注目記事