北朝鮮が韓国との軍事境界線付近に軍事力の大半を集中させ、いつでも韓国侵攻が可能な態勢をとっている可能性がでてきた。韓国紙・中央日報などが報じている。
朝鮮日報は、韓国国会情報委員会の幹事を務める国会議員の話として、韓国軍情報本部の報告内容を伝えた。軍事境界線付近に兵力70万人、火力は長距離砲8000基、戦車2000台を配置し、ソウル首都圏に打撃を与えられる態勢を整えたとしている。中央日報によると「軍事境界線から100キロ以内に兵力の70%、火力の80%」を集中させたという。
中央日報は、韓国軍情報司令部分析官をつとめたホン・ソンミン安保政策ネットワーク代表の分析として、以下のように伝えている。
「北朝鮮は特に朝鮮戦争の失敗を繰り返さないため▼開戦3~5日以内に釜山を占領し▼米軍が増員される前に戦争を終結させるという具体的な戦争目標も立てている」
(中央日報「北、兵力70万人前線配置…3-5日内に釜山占領戦略」より 2013/11/14 2:30)
朝鮮戦争で北朝鮮は1950年6月に韓国に侵攻し、韓国軍を釜山付近まで追い詰めたが、3カ月後に米軍を中心とする国連軍が仁川上陸作戦を敢行したことで戦況が逆転、戦争の長期化を招き、武力統一に失敗したとの見方を指すとみられる。
韓国では最近、北朝鮮がこれまでの想定を上回る戦力で、韓国への奇襲態勢を整えているのではないかとの懸念が高まっている。中央日報は、11月5日の国会でのやりとりを以下のように報じている。
北朝鮮軍の戦闘能力について、チョ・ボグン国防軍情報本部長(中将)は11月5日、国会の情報委員会国政監査で「韓国が独自の軍事力で北朝鮮と戦えば、我々が不利だ」と発言し波紋が広がった。その後、金寛鎮(キム・グアンジン)国防相が後を受けて「本部長の発言は我々が不利ではないという意味だ。南北が戦争になれば北朝鮮は滅亡するだろう」と釈明した。
(中央日報「北、兵力70万人前線配置…3-5日内に釜山占領戦略」より 2013/11/14 2:30)
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