飼い犬のふんを路上に放置した者に過料を徴収できる全国でも珍しい条例がある大阪府泉佐野市。これまで過料を徴収された者はいなかったが、11月15日、犬のふんを放置した飼い主から初めて5000円の過料を徴収した。MSN産経ニュースが報じた。
市環境衛生課によると、同日午前8時半ごろ、市内の国道高架下で、巡回していた府警OBの「環境巡視員」がふんの放置を確認。男性が財布を持っていなかったため、自宅まで同行して徴収した。「今後も違反行為に厳正に対応する」としている。
(MSN産経ニュース「犬のふん放置で5千円を初徴収 “名ばかり罰金”ではありません! 大阪・泉佐野市」2013/11/15 18:35 より)
泉佐野市は、2006年に「環境美化推進条例」を施行し、2012年1月からは飼い犬のふんの放置を違反者には過料が徴収できるようになったが徴収はしていなかったという。NHKニュースは、10月に泉佐野市が、違反した場合の過料を1000円から5000円に引き上げたことに触れ、以下のように報じている。
ことし7月からは、ふんの放置が目立つ14の重点地区を中心に巡視員として採用した元警察官2人がパトロールを続けてきました。
そして15日、巡視員が犬のふんを放置した市内に住む57歳の男性を見つけ、ふんを持ち帰るよう注意しても現場を立ち去ろうとしたことから、初めて5000円の過料を徴収したということです。
(NHKニュース「犬のふん放置で初の過料徴収」 2013/11/16 0:28 より)
また、泉佐野市ではふん放置の状況が改善しない場合には、犬の飼い主に税金を課す「犬税」を2014年度から導入することも検討していた。
犬税は、犬の飼い主に課す税金。総務省によると、昭和30年度には全国で2686自治体が取り入れていたが、その後減り、最後に残っていた長野県四賀村(現・松本市)が57年に廃止している。
千代松市長は昨年6月、市の財政状況が極めて厳しいこと、一方で路上へのふんの放置がなくならないことから、清掃や巡視員の見回りにあてる財源として、犬税の導入を検討する意向を表明した。めどは26年度だった。
(MSN産経ニュース「犬税導入検討…ふん放置減らず 大阪・泉佐野市」2013/2/11 07:00 より)
泉佐野市の財政難は、市の名称の命名権(ネーミングライツ)を売却するという構想を打ち出すほどだった。今回の全国的にも異例の過料徴収には、予算をかけずに犬のふんを放置する飼い主を減らしたいという泉佐野市の思惑もあるのかもしれない。
ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています。
関連記事