汚染水「基準以下なら海へ放出検討を」 IAEA調査団
東京電力福島第一原発の廃炉に向けた取り組みを検証するために来日した国際原子力機関(IAEA)の調査団は4日、報告書の概要をまとめ、増え続けている汚染水について「基準値を下回るものは、海への放出も含めた検討をすべきだ」と助言した。
福島第一原発では、溶け落ちた核燃料を冷やした水に、建屋に流れ込む地下水が加わることで汚染水が1日400トンずつ増えている。東電は、62種類の放射性物質を取り除くとされる設備ALPS(アルプス)で処理を進めているが、トリチウム(三重水素)は取りのぞけないため汚染水として管理する総量は減らない。東電によると3日現在、タンクで保管する汚染水は約39万トンに上る。うちALPSで処理した水は約3万1千トンある。
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4日に都内で記者会見したフアン・カルロス・レンティッホ団長は、処理をして基準値を下回った汚染水について「一定の管理下での放水は世界中で行われている。東京電力がデータを集め、原子力規制委員会による審査を受け、基準を下回るなら、海に放出するべきだ」と発言した。ただ、「国民、関係者が受け入れることが不可欠。関係者と議論し、合意を得ることが前提となる」と述べた。
【波多野陽、小池竜太】
(朝日新聞社提供)
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