「辺野古移設は沖縄差別ではない」の意見も 普天間基地めぐり激論

元外交官で作家の佐藤優氏が12月3日にハフィントンポストに寄せた論考「沖縄は本気で抵抗している」に、多くの読者からのコメントが集まっている。
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元外交官で作家の佐藤優氏が12月3日にハフィントンポストに寄せた論考「沖縄は本気で抵抗している」に、多くの読者からのコメントが集まっている。佐藤氏は母方のルーツが沖縄県の久米島にあることを明かした上で次のように述べた。

私が沖縄人としての自己意識を強めている要因は、東京の政治エリート(国会議員、官僚)、さらにマスメディアが、日本による沖縄に対する構造化された差別について、あまりにも無自覚だからだ。さらに米海兵隊普天間飛行場の辺野古(沖縄県名護市)への移設を強引な手法で推し進めようとする中央政府の手法に沖縄差別の強化を見るからだ。

このように米軍と歴代政府が進めている普天間基地の辺野古への移設を強引に進める手法の背景には、「沖縄差別」があると佐藤氏は分析している。

これに関して読者からは「この分析には納得できる」「目からウロコ」と納得する意見が相次いだ。その一方で、中国の軍事的な脅威への警戒という意味で、沖縄の地理的な重要性に注目し「米軍基地が集中していることが沖縄差別と言えるのか?」という意見も出ている。以下、敬称略で抜粋した。

■「沖縄差別」に納得できるとする意見

なるほど、さすがに沖縄の方々の感情の鬱積はそこまでいっているのですね。日本、アメリカからの「理不尽」な扱いを受けているニュースを散々見てきましたから、この分析には納得できる。

沖縄はいろんな歴史が在るものの、同じ考え方だと思っていた。そこを取り違えると、日米安保まで危うくなるものとは思っても見なかった。目からウロコ。

■「沖縄差別」を理解できないとする意見

本土にいると、「沖縄の差別」なるものの事態が感覚として理解できません。単に基地が集中しているという状況を言うのか、それ以外の如何なる状況が有るというのか。基地の集中という現状について、本土の側から見ると、其れは差別と言うより、寧ろ歴史的必然、地政学的要因、対中国への戦略益要因などが先ず思い浮かぶのですが、沖縄が独立して、基地のない平和な島になるものなのか。本土にいると見えてきません。
私は沖縄出身者が「差別されている」と言うのは言い過ぎだと思います。沖縄が戦前、戦中、戦後と本土に比べて苦しい歴史を追ってきたことは知っています。しかし、沖縄返還後、日本政府は基地負担の軽減や経済振興に尽力してきたことも事実だからです。沖縄と本土の間には法律や制度上の差別があるとは思えません。そして厳然として米軍基地が沖縄に集中しているが、その米軍の存在が東アジアの平和と繁栄に寄与していることも事実です。そして多くの人が沖縄の米軍基地の問題を日本全体で軽減しようとしていることも事実です。
沖縄の人々が差別されていると感じているのは、米軍の非占領民に対する扱いに対して抱く気持ちを、米軍には向けられず政府や本土の日本国民に対して向けているのだ、と思います。本土の日本国民の一人として感じているのは、殆どの日本国民に沖縄県民を差別している意識は無いと思います。

このほか「沖縄県民の総意はどうなんでしょうね?雑音が多すぎて、何が総意なのか解らない」(mur1956)と言った声や、「(沖縄を)よく知るためにも、このような記事が必要」(Takayasu_Iwasaka)などの意見も出ていた。

【※】普天間基地の移設問題の背景には、東京の政治家・官僚やマスメディアによる「沖縄差別」があると思いますか?コメント欄にご意見をお寄せください。

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