
朝鮮中央通信社(KCNA)によると、北朝鮮は、金正恩第1書記の叔父である張成沢・元国防委員会副委員長の特別軍事裁判を開き、張氏に反逆罪で死刑判決を下し、刑を即日執行した。
KCNAによると、張氏と好ましくない勢力は派閥を形成し、国家を転覆させようとした罪を犯した。
北朝鮮は今週、張氏を「犯罪行為」のため全役職から解任していた。
労働党機関誌の労働新聞は13日、手錠をかけられた張氏が制服を着た護衛に付き添われている裁判の様子の写真を掲載した。死刑がどのように執行されたかは明らかでない。
KCNAは、張氏は長期にわたり好ましくない政治的野心を持ち続け、金日成氏と金正日氏の生存中はそれを隠していたが、革命世代が交代する歴史的な転換期において自身の野心を実現させる適切な時期だと判断し、本性を現しはじめた、と報じた。
張氏の側近が韓国に亡命したとの未確認の報道も飛び交った。韓国の情報当局はそのような亡命は認識していないとしている。
張氏は解任されるまで国防委員会副委員長を務めていたほか、労働党政治局員だった。故金正日総書記の妹の金慶喜氏の夫で、金第1書記の後見役として金氏の権力基盤構築を支援するとみられてきたが、同時に実力者だった張氏は金氏にとって最大の脅威でもあった。
北朝鮮情勢の専門家、マイク・マッデン氏は「(張氏は)北朝鮮でクーデターを起こす能力を持っていた」とし、国家安全保障など北朝鮮政権の重要部分について知り尽くしていたと指摘した。
韓国大統領府は北朝鮮の動向について協議するため、閣僚会議を開催。
米国は北朝鮮の動向を注視し、域内の同盟国と協議していることを明らかにした。
ホワイトハウス国家安全保障会議のベントレル報道官は「(死刑執行が)確認されれば、北朝鮮体制の過剰な野蛮さを示す新たな例となる」と述べた。
[13日 ロイター]
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