結いの党、15議員で設立総会 江田憲司代表「政界再編なければ議員辞職」

みんなの党を離党した江田憲司衆院議員ら衆参15議員が、東京・赤坂のホテルで新党「結いの党」の設立総会を開いた。代表には江田氏が就任した。
Taichiro Yoshino

みんなの党を離党した江田憲司衆院議員ら衆参15議員が12月18日、東京・赤坂のホテルで新党「結いの党」の設立総会を開いた。

新党に参加したのは、江田憲司、青柳陽一郎、井坂信彦、井出庸生、小池政就、椎名毅、畠中光成、林宙紀の8衆院議員と、2013年8月にみんなの党を離党していた柿沢未途衆院議員、小野次郎、川田龍平、柴田巧、寺田典城、藤巻幸夫、真山勇一の6参院議員。

総会では代表に江田氏、副代表に寺田氏、幹事長に小野氏が就任することを決めた。政調会長には柿沢氏が就く。

綱領では「脱官僚」「脱中央集権」「脱しがらみ・利権」で「国のかたちを変える」ことを使命とした。会見で江田氏は「結いの党」と「みんなの党」を2回言い間違え、自ら「みんなの党との違いはない」と述べるなど、脱原発や地域主権、持続的な社会保障制度なども含めた政策はみんなの党と大きな違いはない。一方で「民主的で開かれた、風通しの良い党運営」を掲げ、「渡辺商店」と言われたみんなの党の渡辺喜美代表への不満もにじませた。

綱領で、政権担当可能な一大勢力を結集するため「『触媒』となり、党の発展的解消も辞さず、真の改革勢力を結集していく」ことを目標としたため、設立総会後の記者会見では他の政党との連携、合流の可否や時期をめぐる質問が集中した。

江田氏は会見で、次の総選挙までに政界再編が起きなければ、衆院議員の職を辞すると述べた。

私は10年以上前、2002年の選挙で初当選したときのポスターやパンフレットに「めざせ政界再編」と書き込んだ。私にとっては原点ともいうべき使命。だからこそ触媒政党として野党再編を進め、政治理念や基本政策を軸に進めて、自民党に替わりうる一大勢力を築き上げていく。そうした結いの党を結成した以上、触媒として身を捨てる覚悟でやっていく。次の総選挙までに野党再編も政界再編も何も起こらなかったら、私は衆院議員を辞したい。

いつまでというシナリオがあるわけではない。大変困難なことだ。しかし一つ念頭にあるのは、再来年春の統一地方選。将来の総選挙のために全国的に草の根をはやし、政党としての基盤をつくりあげていくという意味では大変重要。十分みなさんに訴えられる期間を持って、できれば野党勢力の結集をはかっていきたい。

その中でも、維新との連携に期待をにじませた。みんなの党時代の2012年衆院選前に、TPP(環太平洋経済連携協定)など10項目で大筋合意した経緯があるためだ。

さっそく各党幹部の皆様にあすからご挨拶に回り、新年明けから政治理念、基本政策の協議を始めたい。特に日本維新の会とは10項目の基本政策合意がすでにあるので、それに携わった柿沢政調会長もいるので、そんなに時間がかからず基本政策、基本理念の一致ができるのではないか。さらに民主党、その他の政党とも分け隔てなく理念と政策をベースに協議を進めていく。

これはできる、できないではなく、やりとげなけれはならない。今の一強多弱の政治状況の中で、このまま小さな野党がいがみあって足を引っ張り合って、一方で巨大与党にすりより合っている状況では、民主主義が死んでしまう。

■維新との憲法観の違いも浮き彫りに

ただ、「結いの党」は綱領で「戦後、日本国憲法が果たしてきた役割を政党に評価し、時代の要請に応じて不断の見直しを行う」と定めたが、連携を視野に入れる維新は「日本を孤立と軽蔑の対象に貶め、絶対平和という非現実的な共同幻想を押し付けた元凶である占領憲法を大幅に改正」と綱領にうたっており、憲法観の違いも浮き彫りになった。

江田代表:今の憲法解釈、法体制、何が支障になっているのか。安倍政権が列挙した事例は本当に支障になっているのか。さらに言えば、本当にアメリカが欲しているのか。アメリカと一言で言ったって、ジャパンロビーと呼ばれている方々の意見と、ホワイトハウスの中枢の意見は違う。日本の安保族、防衛族はジャパンロビーの意見ばかり聞いてそれをそのまま日本に持ち込む。たとえばアフガン戦争のときに「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」って言いましたね。陸軍が一緒に戦うなんて、絶対にアメリカは思ってませんよ。コソボ空爆のとき、初めてNATO(北大西洋条約機構)軍と米軍は統一指揮権のもとに行動して懲りてるんです。だからイラクのときも、わざわざ英軍を別のところに駐屯させた。こういったこともしっかり議論しましょうよ。

具体的になにが支障となっているんだ。それから始めましょう。いきなり解釈を変更しましょうと、自民党政権ですら守ってきた方針を換えるのは、よっぽどしっかりした理論構築と、実態を反映した議論が必要。

小野幹事長:確かに今、東アジアの緊張が高まっているが、一方で、だからといって日本国憲法の平和主義、平和外交を貫くという基本的な姿勢があたかも問題だったかのような言い方は不適切だと思う。独立や国民の生命、安全を守る必要な施策の中に、装備、体制、法制面、もしどうしても憲法上の改正を含む問題があるという結論に達するなら、しっかり憲法改正を含めて議論しなければならないが、まず先に改憲、解釈変更、そんな話から入る議論には非常に慎重でなくてはならないと思っている。

維新との憲法観の違いについて質問された江田氏は一言「憲法観も一致させなければならない。それが大前提ですね」とだけ答えた。

【※】「結いの党」は政界再編の軸になると思いますか?皆さんのご意見をコメント欄にお寄せください。

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