「あまちゃん」で危機感? 韓国「海女文化」をユネスコ世界文化遺産に登録推進

韓国・済州島の「海女文化」がユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録されるための手続きを、韓国政府が進めることを発表した。
A jubilant Haenyeo (Jeju diving woman) proudly raises her catch at the 5th annual Haenyeo Diving Festival on Jeju Island, South Korea
A jubilant Haenyeo (Jeju diving woman) proudly raises her catch at the 5th annual Haenyeo Diving Festival on Jeju Island, South Korea
Douglas MacDonald via Getty Images

韓国・済州島の「海女文化」がユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録されるための手続きを、韓国政府が進めることを12月20日に発表した。日本でも三重県や石川県で世界文化遺産登録の動きがあるが、朝日新聞デジタルは「政府レベルで韓国が日本に先行した」と報じている。

韓国は2015年の登録を目指し、来年3月末までにユネスコに申請書を出す方針。文化財庁は「海女文化は我々の代表的な無形遺産。日本でも最近、登録推進の動きがあることも考慮した」と説明している。

(朝日新聞デジタル「「海女」争い、韓国が先行 ユネスコの無形文化遺産登録」より 2013/12/22 07:22)

日本では今年10月に石川県で「海女サミット2013in輪島」が開かれ、海女文化の世界文化遺産登録に向けたアピールを採択した。2014年1月には海女のいる全国8県が「全国海女文化保存・振興会議」を発足させる

一方で、韓国側は日本のこうした動きに神経をとがらせてきたようだ。韓国の雑誌・中央SUNDAYは、NHKの連続ドラマ「あまちゃん」が人気を博したことも一因になったとみている。

日本のこうした動きは2007年から海女のユネスコ無形文化遺産の登録を推進してきた韓国と正面から衝突する。海女の遺産登録をめぐる「韓日戦」が展開している局面だ。韓国はスタートが早かったが、済州道レベルで登録を推進しながら進展が遅れている一方、日本は8県合同で中央政府までが支援を惜しまず、韓国の海女(ヘニョ)ではなく「アマ」が遺産として登録される可能性が高くなっている。

今年4月からNHKで、海女を素材に放送された朝の連続ドラマ『あまちゃん』が20%を超える視聴率を記録して日本国内で海女に対してこれまでにない関心が寄せられた点も韓国側の関係者を緊張させている。

(中央日報「ユネスコ無形文化遺産、海女の登録めぐり「韓日戦」激化(1)」より 2013/12/18 16:18)

同誌は、パク・ヤンセン元高神(コシン)大学医大教授(生理学)の話として▽日本の海女は2人1組で水に入るが、韓国の海女は1人▽日本では船に乗った夫が補助潜水をするが、韓国の海女は自力で潜る、などの例をあげ、「韓国の海女は日本よりも優秀だ」との説を展開した。

韓国の海女は人が水の中で震え始める「臨界水温」が一般人より2~4度も低い。また冬になれば基礎代謝率が一般人より30%も増える。これに伴い、海水温度が摂氏7~10度まで下がる冬の季節にも潜水できる。しかし日本の海女はこのような寒冷適応能力がなく春夏にだけ潜水できたとパク元教授は説明した。

(中略)

「日本の海は韓国より水温が高いために皮下脂肪が少ない男たちも海女の役割を果たせる」としながら「これもまた韓国の海女が日本よりも冷たくて大変な海にさらに適応した事実を物語っている」と話した。

(中央日報「ユネスコ無形文化遺産、海女の登録めぐり「韓日戦」激化(2)」より 2013/12/18 16:18)

日本の海女が世界文化遺産に登録されるには、まず国内で文化財として登録される必要があるという。

ユネスコ世界無形文化遺産になるには、国の文化財、県の文化財にならねばなりません。三重県では、今年度中には文化財保護審議会の結論がでる予定で、そうすれば、日本初で海女が文化財として認められます。

(三重県知事のページ「「『海女サミットin輪島』に参加しました」より 2013/10/29)

【※】日本も海女の世界文化遺産登録を急いだ方がいいと思いますか?皆さんのご意見をコメント欄にお寄せ下さい。

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