■イタリア版「マフィア・テロリズムの再燃?」(12月5日)
私たちのベストスプラッシュは、イタリアでマフィア・テロリズムが起きるという危機についてのリポートだ。ハフポスト・イタリア版がスクープし、水面下の動きやマフィアのボスたちの思惑について、議論を再び呼び起こした。
ベテランの調査報道ジャーナリスト、アンドレア・プルガトーリが、イタリアで最も重要な反マフィア闘争の舞台となっているカルタニッセッタ(イタリア南部シチリア島中央部の都市)の主任検事、セルジオ・ラリにインタビューした。彼はマフィア関連で最も困難な公判を指揮している。ラリは、マフィアが盗聴や諜報を駆使し、テロのような暗殺が再燃すると警告している。1992年から93年にかけてイタリアで起きたようなマフィアによるテロが急増するかもしれないという。
■4つの裁判所を「最高レベル」での保護下に
イタリアでは、マフィアは南部でも北部でも、未だ広く深く根を下ろし、イタリア経済と社会に強い影響力を持っている。過去にマフィアから捜査・司法への脅迫も相次ぎ、イタリア当局は4つの裁判所を「最高レベル」での保護下に置いた。アルファーノ内務相(当時。元副首相)は議会の反マフィア委員会に、コーザ・ノストラによる脅迫以降、裁判所への保護が必要だと述べている。(コーザ・ノストラはシチリア島のマフィア。対立組織や国家権力への暴力闘争をいとわず、裁判官の暗殺も繰り返した)
コーザ・ノストラの「ボスの中のボス」と言われたサルバトーレ・”トト”・リイナが獄中から、(シチリア島北西部の都市)パレルモの次席検事、ニーノ・ディマッテオを脅迫して、1カ月後に保護は強化された。「ディマッテオは死ななければならない…奴らは俺を狂わせている」。「奴らは死ななければならない。俺の最後の仕事だ」。リーナは獄中から声を上げ続けた。アルファーノは、犯罪組織が「未だに最も深刻な課題だ。イタリア南部の発展を遅らせており、経済的自由への脅威だ」と述べた。
(ジアンニ・デルベッキオ編集長)
世界9カ国に広がるザ・ハフィントン・ポストのネットワーク。各国版の編集長が選んだ、2013年の各国イチ押しスプラッシュ(トップ記事)を紹介します。
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