中国人企業家がニューヨーク・タイムズ紙買収に関心、1月5日に大株主と協議か

中国の企業家、陳光標氏は31日、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)買収への関心を表明した。1月5日にニューヨークでNYTの「大株主」と話し合う予定だと語った。
Reuters

[北京 31日 ロイター] -中国の企業家、陳光標氏は31日、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)買収への関心を表明した。

同氏はこの件について2年以上前から検討しており、買収案の提示を真剣に考えているとした上で、1月5日にニューヨークでNYTの「大株主」と話し合う予定だと語った。

「値段が適正なら買えないものはない」とし、NYTの企業価値は概算で10億ドル程度と見積もったが、価格交渉には応じると述べた。

NYTの時価総額は現時点で24億ドル。

NYTの広報担当者は、中国メディアの先行報道を受け、憶測にはコメントしないとした。

アーサー・サルツバーガー会長はこれまでに「NYTは売り物ではない」と言明しており、同社を支配するオックス・サルツバーガー一族が陳氏にNYTを売却する可能性は低いとみられている。

アウトセル・リサーチのアナリスト、ケン・ドクター氏は、NYTの株式がクラスA、Bに分かれ、サルツバーガー一族がクラスB株を通じ支配していることを踏まえ、「NYTすべてが売り物でないというのは事実だ」と述べた。

陳氏は、NYTを買収できなければ、支配株主になることで手を打つとの意向を示している。支配株主になる道も閉ざされれば、NYT株を取得することで妥協するほか、CNNやワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)といった他の米主要メディアへの買収を打診する方針であることも明らかにした。

陳氏はリサイクル事業で富を築き、慈善活動家としても知られる。

今年最後の取引日となる31日の米株式市場で、NYTの株価は一時5年半ぶり高値となる16.14ドルをつけた後、約1%安で推移した。

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