もしも「恐れ」が存在しなかったとしたら、あなたはどんなことをやってみたいですか?
この質問をきっかけに、終わりのない空想が始まるかもしれません(じっくり考えてみてください)。同時に、いくつかの「障害」があることにも気付きます。つまり、私たちが恐れを抱くのには理由があるのです。
護身術と空手の講師で、『Smile At Strangers: And Other Lessons in the Art of Living Fearlessly(見知らぬ人にもスマイルを:人生を恐れずに生きるためのレッスン)』の著者であるスーザン・ショルン氏は、「恐れは、生き残るためのスキル」であると話しています。
そういった意味では、生活から恐れを完全に取り除くことはできません。けれども、うまく管理できれば、恐れは、私たちを「引き止めるもの」ではなく、「強み」として活用することができます。
私たちの祖先には身の危険を察知する能力が必要だったことから、脳には生まれつき「恐れ」が備わっています。けれども、「危険」は人類の進化とともに変化しました。恐れを抱く対象やタイミングも、それに合わせて変える必要があるのです。
ショルン氏は、「恐れは、人生の楽しみを必要以上に奪っていくものという意味で、とても非効率的なものです」と、ハフィントン・ポスト米国版に話してくれました。
以下は、現代社会で「無駄に恐れずに生きる」ための4つのヒントです。家庭や職場、人間関係の中で実践して、成功につながるチャンスを増やしてみませんか。
リスクについて学ぶ
ショルン氏によれば、「恐ろしいと感じるものと、実際に危険なものとには大きな違いがあります」。これは、確信の持てないものをやり遂げるべきかどうか決める際には覚えておきたい、重要な概念です。
あなたが過去に負ったリスクを思い出してみてください。やり遂げたあとに、最初の不安に勝るような達成感を感じられましたか? おそらく答えは「イエス」なのではないでしょうか。
エレノア・ルーズベルトは、「1日に1つ、あなたが恐れていることをしなさい」とアドバイスしました。それは賢い選択なのかもしれません。ただし、実行に移す前にはリスクと危険をよく判断するようにしましょう。
コントロールできないことは手放す
残念ながらこの世界には、私たちがコントロールできない危険というのも存在します。ただ、その現実を受け入れるのが早ければ早いほど、より「恐れを持たない人生」に近づくことができます。雨を止めることはできません。われわれにできるのは、嵐に備えることだけです。
状況を完全にリスクの無いものにしようとすると、潜在的なチャンスまで失うことになります。ショルン氏は、これは「エネルギーをほかのことに費やしてしまい、チャンスを無駄にする行為」だと指摘します。
「自分の能力と弱点を客観的に評価することが、進歩には不可欠だ」とショルン氏は述べます。恐れを感じて進めない時は、何が自分の力で回避できて、何がコントロールできないことなのかを検討しましょう。そして、それに従って行動に移しましょう。
見知らぬ人にほほ笑む
ショルン氏の著書『見知らぬ人にもスマイルを』のタイトルは、同氏が、「他者とのつながりによって得られる力」を認識したことから付けられました。
ショルン氏は、「安全を確保しながら、人々と交流する方法はたくさんあります」と話しています。適切だと感じる場合は、他者に対してオープンな姿勢を取ることが素晴らしい結果につながるかもしれません。
明確なコミュニケーションを実践する
自分が本当に欲しいものを伝えられないのは、さまざまな面で非効率的なことですが、一番は時間の無駄であり、自分のニーズを満たす妨げとなります。
「お願いしても構いませんか?」、「もしよろしければ…」などと不安をにじませた表現を使う代わりに、直接的な言葉で依頼してみましょう。率直な物の言い方をすると、私たちは「思いやりがなく、冷淡な印象を与えるのでは?」と心配する傾向があります。しかしショルン氏は、「直接的で明確なことが必ずしも無礼であるとは言えない」と話し、こうした伝え方をすることで、「フラストレーションを減らす」ことができると述べています。
「明確なコミュニケーション」を実践する上でもう1つ必要になるのが、「ノー」と言い、自分の意見を貫くことです。ショルン氏は、そうした姿勢の多くの部分が「習慣的なもの」であると話しています。つまり、最初は誰かにノーと言ったり、直接的に伝えたりすることに大きな難しさを感じても、実践を重ねることで上達するということです。
[Kate Bratskeir(English) 日本語版:兵藤説子、合原弘子/ガリレオ]
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