2013年12月28日に南アメリカのエクアドルに新婚旅行で訪れていた日本人夫婦が襲われ、夫が死亡、妻が重傷を負った事件で、エクアドルのコレア大統領は、1月4日、首都キトで行った演説で、「わが国のイメージを著しく低下させる」と述べ、観光産業への悪影響を懸念したという。時事ドットコムなどが報じた。
NHKニュースによると、コレア大統領は事件を「家族や国家を傷つける凶悪犯罪だ」と非難し、捜査に全力を挙げることを強調したという。
エクアドルのコレア大統領は4日、定例のテレビ演説の中で事件に触れ、「最も深刻なことは日本人であれ、エクアドル人であれ、人命が失われたことだ」と述べ、人見さんに哀悼の意を表しました。
そのうえで、コレア大統領は「家族や国家を傷つける凶悪犯罪だ。われわれは犯人たちを逮捕し、罰を与えるまで休むことはない」と述べ、捜査に全力を挙げることを強調しました。
(NHKニュース『日本人夫婦銃撃 大統領「捜査に全力」』より 2013/01/05 12:05)
事件が起こったのは、エクアドル最大の都市グアヤキルで、12月28日の夜、現地メディアによれば新婚旅行中だった2人は路上でタクシーを呼び止め乗車した際に、銃を持った8人以上のグループに襲われたという。
2人は市内のホテルのレストランで夕食を済ませたあと、通りを走っているタクシーに乗り込み、タクシーに乗っている間に銃を持った8人以上のグループに襲われたということです。
ヒトミ・テツオさんの遺体が見つかった現場は、地元の大学の校舎の目の前で、夜になるとほとんど人通りがない場所だということで、目撃した男性はNHKの取材に対して、「警察が来て、騒ぎに気付いて見に来たら、男性が血を流して倒れていた。こういう犯罪が起きないためにも、もっと安全な街にしてほしい」と話していました。
(NHKニュース「日本人夫婦銃撃 強盗殺人容疑で捜査」より 2014/01/05 6:52)
亡くなった、夫のヒトミ・テツオさんの遺体は、3日、現地で荼毘に付され、近く帰国するという。
■重傷を負った妻から事情聴取
地元の捜査当局は3日、重傷を負った妻のヒトミ・マリコさんから入院先で長時間にわたり事情聴取を行ったという。47NEWSが報じた。
聴取内容から当局は中南米で多い「特急誘拐」事件との見方を強め、強盗殺人などの疑いで捜査。夫妻が拾った流しのタクシーの運転手も犯行グループの一員とみている。
マリコさんは6時間以上にわたって通訳を介し、被害状況を説明した。
(47NEWS「負傷の妻から詳細な聴取 エクアドルの地元捜査当局」2014/01/05 05:18)
■南米では「特急誘拐」が多発
南米各地では、ターゲットを一時的に拉致して現金自動預払機(ATM)などで現金を引き出させて、すぐに逃走する「特急誘拐」(短時間誘拐)と呼ばれる手口の犯罪が多発しているという。
タクシーを利用した際に強盗にあったり、金品を要求されたりする犯罪は南米各地で起きており、「特急(短時間)誘拐」と呼ばれている。日本外務省によると、エクアドルでは2012年上半期に811件の誘拐事件が発生。うち約3割が、グアヤキルを含む都市部でのタクシーを使った「特急誘拐」だった。10年にも、複数の日本人が被害に遭っているという。
(朝日新聞デジタル「エクアドルで日本人男女銃撃される 1人死亡、1人重傷」より 2014/01/05 02:22)
【訂正】初出時にはエクアドルの首都名がトキとなっていましたが、正しくはキトになります。お詫びするとともに、謹んで訂正致します。
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