「脱原発」を争点にする小泉劇場 広がる波紋

「脱原発」を旗印に、東京都知事選において細川護煕氏の支援を表明した小泉純一郎元首相。元々小泉氏が所属していた自民党は舛添要一氏を推薦していることもあり、波紋が広がっている。
Junichiro Koizumi, former Japan prime minister, gestures as he speaks during a news conference at the Japan National Press Club in Tokyo, Japan, on Tuesday, Nov. 12, 2013. Prime Minister Shinzo Abe faces another prominent opponent to his plans to return to nuclear power after the Fukushima disaster, as Koizumi called for Japan to immediately abandon its reactors. Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg via Getty Images
Junichiro Koizumi, former Japan prime minister, gestures as he speaks during a news conference at the Japan National Press Club in Tokyo, Japan, on Tuesday, Nov. 12, 2013. Prime Minister Shinzo Abe faces another prominent opponent to his plans to return to nuclear power after the Fukushima disaster, as Koizumi called for Japan to immediately abandon its reactors. Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg via Getty Images
Bloomberg via Getty Images

「脱原発」を旗印に、東京都知事選において細川護煕氏の支援を表明した小泉純一郎元首相。元々小泉氏が所属していた自民党は舛添要一氏を推薦していることもあり、波紋が広がっている。その舛添氏も「私も脱原発です」と表明。自民党の原発維持の方針とは異なる方針を打ち出しており、まさに小泉氏によって揺さぶられている状況だ。

小泉氏のかつての後見役である森喜朗元首相も苦言を呈している。

「五輪を人質に取って原発をやめさせるかどうかを迫るのは卑怯(ひきょう)なやり方だ」

森喜朗元首相は14日の講演で、自民党都連が推薦する舛添要一元厚生労働相に対抗し「脱原発」を掲げて出馬する細川氏を痛烈に批判した。

(MSN産経ニュース「【都知事選】「小泉劇場」主役にピリピリ 自公、刺激避け批判封印」より 2014/01/15 09:14)

自民党の派閥で小泉氏や安倍氏の先輩に当たる森喜朗元首相は14日の講演で「自分の弟のように育ててきた安倍首相の政権に大きなダメージを与えかねないことをやるのか」と小泉氏に不満を示した。ある党幹部は、「自民党をぶっ壊す」と党内秩序を混乱させた小泉氏の再登場に苦々しい思いを禁じ得ない。「自分の派閥から出した首相の足を引っ張るのか。勝手にしてくれ」

(時事ドットコム「古巣に容赦ない小泉節=自民震撼、都知事選に危機感」より 2014/01/14 20:55)

安倍晋三首相をはじめとする政府中枢も、警戒感を隠さない。

「エネルギー政策は東京都だけではなく国民みんなの課題だ。そういうこと(脱原発)も当然議論されると思うが、都知事としての課題もバランス良く議論されるべきだ」と語り、争点が「脱原発」に集中することに警戒感を示した。

(朝日新聞デジタル「安倍首相、「脱原発」争点化に警戒感 都知事選」より 2014/01/13 03:34)

自民党の切り札として、息子であり衆議院議員の小泉進次郎氏を舛添氏の応援演説に送り込むのではという観測もあるが、進次郎氏本人は現在のところ、意向を明らかにしていない。

劣勢に立たされた自民にとって、“頼みの綱”は党内一の人気者、小泉進次郎復興政務官。小泉元首相の次男だ。進次郎氏はこの日、報道陣が「父親と一緒に細川氏を応援するのか」と問うと、「ありません。復興政務官の職務を全うします」と述べた。「大事な日本の首都の話ですから、その行方を関心を持ってみていきたい」とし、都知事選とは一定の距離を置く意向も表明した。

ただ党は、“老練な父親に若くクリーンな息子が挑む”という構図で有権者にアピールしたい考え。執行部からの要請があれば、進次郎氏も断れない。細川氏を応援する父親からわずか数十メートルの距離で、舛添氏の応援演説に立つ可能性も十分ある。

(スポニチ「小泉には小泉を…自民、進次郎氏が“最強の刺客”」より 2014/01/15)

しかし、有力候補の細川氏、舛添氏、宇都宮健児氏がいずれも脱原発の意向を明らかにしているため、そもそも争点にはならないのでは、という意見もある中、細川氏の地元、九州でも反発が起こっているという。

「そもそも東京に原発はないでしょう。地方の原発が作った電力で繁栄を享受した東京でなぜ脱原発なんですか。原発再稼働は日本経済の再生には欠かせません。お二人とも首相経験者なのだから理解しているはずですが…。人気取りかも知れないが、非常に無責任ですよ。老兵は潔く去るべきです!」

佐賀県玄海町の岸本英雄町長はこう憤りをぶちまけた。

(MSN産経ニュース「【電力危機は続く】細川&小泉両元首相の「脱原発タッグ」に九州の政財界から怒りの声 玄海町長「老兵は潔く去るべき」」より 2014/01/14 20:51)

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