小保方晴子さんが報道自粛を要請 マスコミはどうあるべきか?

全く新しい万能細胞「STAP(スタップ)細胞」を世界で初めて作った小保方晴子(おぼかた・はるこ)さん。科学史上でも画期的な発見を、わずか30歳の女性研究者を成し遂げたということでマスコミ報道は一気に加熱したが、1月31日には本人の名前で報道自粛を要請する声明が発表された。報道の問題点はどこにあったのか。読者のコメントを紹介する。
LABORATORY FOR CELLULAR REPROGRAMMING

全く新しい万能細胞「STAP(スタップ)細胞」を世界で初めて作った小保方晴子(おぼかた・はるこ)さん。科学史上でも画期的な発見をしたことで、1月27日の会見以降、マスコミ報道は一気に加熱した。

その一方で研究成果ではなく「デート」や「ファッション」などの小保方さんの人となりに関する報道ばかりが広まったことへの批判も出ていたが、1月31日に小保方さん本人の名前でマスコミ報道の自粛をうながす「報道関係者の皆様へのお願い」が発表された。

研究発表に関する記者会見以降、研究成果に関係のない報道が一人歩きしてしまい、研究活動に支障が出ている状況です。また、小保方本人やその親族のプライバシーに関わる取材が過熱し、お世話になってきた知人・友人をはじめ、近隣にお住いの方々にまでご迷惑が及び大変心苦しい毎日を送っております。真実でない報道もあり、その対応に翻弄され、研究を遂行することが困難な状況になってしまいました。

(「Obokata Lab/Cellular Reprogramming」より 2014/01/31)

この件をハフポスト日本版が1月31日に伝えたところ、以下のようなコメントが集まっている。マスコミ報道のあり方に関する読者の意見を紹介しよう。

■マスコミのあり方を批判する意見

まず一番多く寄せられた意見はマスコミ批判だった。学術的な発見で業績を挙げた人を芸能人扱いしてしまうマスコミの体質。「個人のプライバシーを暴くことがマスコミの使命ではない」として、視聴者が望む報道と乖離しているという意見があった。

まるでオギャーと生まれたばかりの科学者がノーベル賞を取ったかのような騒ぎ振りには呆れる以外に言葉が見つからない。対象がうら若き女性であることがその現象に拍車をかけているのだろうが一視聴者の立場から見れば醜いアヒルの群れが羽ばたく一羽の白鳥を打ち落とそうとしているかの如き所業に思える。
所詮、メディアの興味が、研究者が若いとか、美しい女性とかであるなら、それはかなり明白な性差別だ。しかし日本の場合、山中教授などにも、芸能人扱いしてつきまとったわけで、話題の人が登場すると、有名人としてつきまというのを当然のようにしている。芸能記者化にすぐ陥ってしまう、ジャーナリストの自覚のなさは、自己批判してもらいたいね。
一流研究者にこんな生命(ママ)を出させるマスコミと,それを支える国民性が嘆かわしい。或る程度の顔出しは宣伝と割りきって覚悟しているはずの人達だから,余程なんだろうな・・・。
日本のマスコミ、報道の内容、ワイドショーなど、今一度あり方を再考するいいきっかけにして欲しい。個人のプライバシーを侵犯することが報道の使命だとおもってらっしゃるし、それを視聴者は喜んでいると思ってる。恥ずかしいことです。

■広報対応の不備を指摘する意見

こうした意見の一方で、小保方さん本人に注目が集まるきっかけとなった広報対応のあり方に疑問を呈する声も寄せられている。

日本社会の“体質”を考えると、こういうリスクを避けるために、彼女ではなく、(論文に名を連ねている)チームリーダーなりセンター長なりが記者会見をした方が安全だったのかも知れません。そんな配慮をしなければならないとしたら、こんな本末転倒な話はないのですが。

研究室にカメラを入れて実験風景を取らせている。こうなることは想定しておくべきだったかもしれない。広報とかメディア対応部門とかはないのだろうか?

【※】このように報道のあり方について、さまざまなコメントが寄せられていますが読者の皆様はどのように考えますか?改めてご意見をお寄せください。

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