「東京都知事選 候補者ネット討論」全文書き起こし(7/8) 景気と雇用

東京都知事選(1月23日告示、2月9日投開票)に立候補をしている宇都宮健児氏、田母神俊雄氏、舛添要一氏、細川護熙氏(届け出順)の4候補者が登壇する「東京都知事選挙 候補者ネット討論」が2014年2月1日夜、都内でおこなわれた
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東京都知事選(1月23日告示、2月9日投開票)に立候補をしている宇都宮健児氏、田母神俊雄氏、舛添要一氏、細川護熙氏(届け出順)の4候補者が登壇する「東京都知事選挙 候補者ネット討論」が2014年2月1日夜、都内でおこなわれた。

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・[ニコニコニュース](6/8) 東京都尖閣諸島寄付金

討論では、各候補者からの「オープニングメッセージ」に始まり、「2020年、東京オリンピック・パラリンピックへの対応」「原発活用の是非を含めたエネルギー政策」「少子高齢化に伴う社会保障の充実」「首都直下地震に備えた防災対策」の4テーマが採り上げられ、討論の後半ではニコニコ生放送の視聴者によるアンケートによって「東京都尖閣諸島寄付金」「景気と雇用」の2テーマが決定された。今回の都知事選において、4候補者が一堂に会した討論の生放送は初めて。

なお、この討論は、グリー株式会社、株式会社サイバーエージェント、Twitter Japan株式会社、株式会社ドワンゴ、ヤフー株式会社、Ustream Asia株式会社、LINE株式会社(50音順)のネット事業者7社が取り組んでいるネット選挙応援企画 「わっしょい!ネット選挙」が協力。各社が展開するサービス(AmebaBLOGOSGREEniconicoTwitterUstreamYahoo!みんなの政治)において、生放送配信、ニュース記事配信、ユーザーへの告知、討論テーマの募集等がおこなわれた。

このニュースでは、討論の内容のうち、「景気と雇用」を全文書き起こして紹介する。

■景気と雇用

司会・角谷浩一(以下、角谷):一方で、今アンケートで採った2番目のテーマ、「景気と雇用」はやはり切実なテーマであるし、今番組をご覧になっている若い人たちにとっては、大きなテーマだと思います。この問題についても、少しみなさんの所見をいただければというふうに思っております。

こちらは舛添さんからいただきます。

舛添要一氏:国家戦略特区法案が通りました。私は東京を特区に指定して、国と協力しながら、東京で大胆な実験をやりたい。

やっぱり霞ヶ関のさまざまな規制がある。そして霞ヶ関はやっぱり、省庁の縄張りが激しいんです。ですから、経済産業省があり、厚生労働省がある。で、薬。新しい薬を使って、医療技術含めて、これでうんと輸出を増やして景気をよくしよう、と言ってもなかなか大変だ。

で、あのときは、私、厚生労働大臣と文科大臣、科学技術大臣、もうひとり経産大臣入れて民間の製薬会社、外国の製薬会社も入れて議論して、どうすればいいかを考えたんです。こういうことまでやらないと、国ではできない。

しかし、東京都は省庁の縄張りもありません。特区っていうことは、さまざまな規制に対してチャレンジして、緩和していっていい。まずそこから新しい自由な発想で若い方にどんどん会社を作ってもらう。で、儲かってもらう。そうすれば雇用が生まれてくる。そして、いろんな先端技術が、どんどん進んできます。

で、先般、30歳の女性が素晴らしい万能細胞を見つけたと、作り方を。だからこういうことを、国も援助するけれども、都としても一生懸命援助して、すばらしい才能を育てていきたいと。

でやっぱりね、職業訓練やらないといけません。国に上乗せした形の職業訓練方策をやって、若い人が職を身につけて、スキルアップ、スキルアップ、スキルアップしていくと。そして、どんどん経済がアベノミクスで良くなっていってますから、その成果を若い人の雇用に繋げるというような形で、経済特区、これを東京でやって、東京モデルから日本を変えて、世界を変えていく。これが私の雇用と経済の戦略です。

角谷:ありがとうございます。じゃあ細川さんお願いします。

細川護熙氏:先ほど出たことと関連するんですが、やっぱり私は、「自然エネルギー」というものがこれからの成長の鍵を握っていると思います。もちろん、省エネということ、エネルギーの効率化ということと合わせて進めていかなきゃならんわけですけれども。

外国の例を見ても、皆、原発から成長エネルギー、自然エネルギーに切り替えて、急角度で経済の成長が進んでいるわけですね。そういう国が結構あるわけです、ヨーロッパなんかには。

ですから、今、原発を辞めると、自然エネルギーでいくんだという方向をトップが明確に言えば、そういう方向にいろんな産業が切り替えて。それはたとえば、シーメンスとか、GEとか今まで原発を作っていた企業も、みんな原発は高くて割に合わない、リスクが大きい、自然エネルギーに切り替えよう、ということでそういう産業に切り替えているわけですから。私は、日本の企業もそういうことを鮮明にすれば、たちどころに、自然エネルギーに向かって、雪崩を打ってくるといっても大げさではないほどに、私は企業がそういう方向に傾くと思います。

今、蓄電の技術も進んでいるし、自動車だって何だって、みんなこれだけ効率的な車ができてきている。これなんかも随分、思っていたよりも早い時間でそれが達成されているわけですし、必ず私は、そういう方向をトップが明確に示せば、日本の成長っていうものはこれから素晴らしくなる。その成長の果実でもって、雇用や福祉を維持していくということは、現実的な課題だと思います。

角谷:はい。宇都宮さんお願いします。

宇都宮健児氏:日本の経済は、よく6割から7割が内需で持っているというふうに言われております。それで、内需を拡大するには労働者の賃金を上げなきゃいけないし、社会保障を充実させて国民の所得・収入を上げないといけないと思っております。

ところがこの間、GDPは上がっていますが、労働者の賃金は下がりっぱなしなんですね。労働者の平均賃金、働いている人の平均賃金が一番高かったのは1997年なんです。その時は467万円です。これは非正規と正規労働者の平均です。これが、2012年には408万円に下がってきています。

で、1997年に働いている人がもらった総給料額と比較すれば、2012年には25兆円減っているんです。GDPは、富は生産が増えているのに働いている人の労働分配率が減っている。

それから、安倍さんは昨年の通常国会で、生活保護の基準を3年で670億削減していますね。それから、医療・介護・年金。どんどん改悪をしています。社会保障でどんどん国民の社会保障削られていますから、収入が増えないので、これが逆に社会保障を充実する。賃金が上がらないと、景気は本格的な回復にならないと思っております。

それから、雇用の問題は、これからは福祉の充実、たとえば、特別養護老人ホームをつくる、保育園をつくる、保育士さん増やす、介護士さん増やす。あるいは、震災対策、都民の命を守るための耐震化工事、不燃化工事、あるいは原発に変わる自然再生エネルギー、そういうところで新たな雇用が増えていく。そういう可能性が大いにあると思っていますし、そういう方向での雇用の拡大が、持続可能性の高い雇用の拡大だと考えております。

角谷:はい。じゃあ田母神さんお願いします。

田母神俊雄氏:私は、「タモガミクス」と呼ばれる、私が呼んでいる、東京総合経済対策を実施したいと思います。タモガミクスと。アベノミクスになぞらえていますけど。

まず、先ほど言ったように、1つは、消費税のアップ、連動して都民税の減税を実施したいと思います。2番目は、公共事業をもっと拡大して、オリンピックの準備とか東京の強靱化とか、いうことを実施したいというふうに思います。公共事業の拡大。

3番目に、中小企業対策ですね。日本では、会社の99.3%が中小企業です。ほとんどの人がここで働いています。97%の人が中小企業で働いて、これが、景気がよくならなければ、日本が経済的に強くならないし、みなさんの給料が上がらないということです。

ですから、中小企業に仕事が十分行き渡るように、東京都としても強靭化だとか、あるいは街の景観をきれいにするとか、防火対策とか、そういったことにお金にかけていきたいなというふうに思っています。

そういったことを、3本の矢を総合的にやることによって、景気が回復して、景気が回復すれば当然、仕事が各中小企業、全部に仕事が行き渡りますので、景気が回復して、みなさんの給料が上がる、ということになりますので、好循環が始まるのではないかというふうに思っています。以上です。

角谷:はい。4候補に、急遽、アンケートの中の2位にありました「景気と雇用の問題」についてもお話をいただきました。

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