年金保険料を納める期間、65歳まで延長か

国民年金の納付期間を延長が検討されている。現在は60歳までの40年間、国民年金の保険料を納めることになっているが、これを最長65歳までとする。納付期間の延長によってどのような効果が見込まれるのか。
a.collectionRF via Getty Images

厚労省は2月26日、国民年金の納付期間を延長する考えを示した。現在は原則20歳〜60歳までの40年間、国民年金の保険料を納めることになっているが、これを最長65歳までとする。

国民が受け取る年金は今後も少なくなるとみられており、40代以下の世代が受け取る頃には基礎年金は5万円を割り込むとの見通しもある。納付期間を延長し、年金を納める人を増やすことで、年金の支給額を減らさなくてもすむ可能性があるという。47NEWSなどが報じている。

厚生労働省は26日、公的年金制度の改正に向けて、現在は40年間となっている基礎年金の保険料支払期間の延長や、少子高齢化に合わせて給付水準を抑制する「マクロ経済スライド」の強化などを検討する考えを自民党厚生労働部会に示した。

(47NEWS「保険料支払い期間延長検討 厚労省、年金法改正視野」より 2014/02/26 21:55)

現在、国民年金の保険料は月1万5040円。会社員は給料から天引きされる厚生年金保険料に含まれている。2014年4月からは納付額が210円アップし、1万5250円になる予定だ。

収めた国民年金は65歳から受け取ることができるが、20歳〜60歳までの40年間、保険料を収めた人であれば、毎月約6万5000円(年額778,500円)を受け取ることができる。

しかし、年金支給額は「物価スライド」と呼ばれる仕組みで、毎年の物価の上下幅に合わせて翌年度の支給額が決まることになっており、2014年4月からは、現在の額から0.7%引き下げて6万4400円の支給となることが決まっている。

基礎年金の支給額は、今後も引き下げられると見込まれており、「今のままでは40代以下の世代が年金を受ける頃には、基礎年金は月額5万円を割り込む」との見通しもある。もし、60歳を過ぎても年金を収める人が増えれば、基礎年金の引き下げを抑えられる可能性がある。

2013年4月、高年齢者雇用安定法が改正され、60歳を過ぎても働きたいという人全員を、65歳まで雇用することが企業に義務づけられた。厚生労働省ではこの制度も踏まえ、今後年金のあり方を議論。年内に国民年金法改正案を取りまとめるという。

なお、年金制度については、2013年8月にまとめられた社会保障制度改革国民会議の報告書では、年金を納める期間の延長や、高所得者の年金給付のあり方、年金の支給開始年齢の引き上げについても議論を行うべきとしている。

【※】年金の納付期間と制度設計についてあなたはどのように考えますか。ご意見をお寄せください。

関連記事

まじめさ

「長生きにつながる性格」

注目記事