駆逐艦「文月」珊瑚礁の海底に眠る トラック諸島で撮られた幻想的な動画

駆逐艦「文月」は、トラック諸島の水深37mの海底に、ほぼ原型を保ったまま、珊瑚礁の海底に横たわっている。沈没からちょうど70年を迎えた今、激戦をかいくぐった駆逐艦は魚やダイバーに囲まれて、静かな余生を送っている。

ここはミクロネシア連邦のトラック諸島。チューク諸島とも呼ばれる世界最大の直径65キロもの環礁だ。太平洋の荒波から隔離された天然の良港に恵まれている。戦時中は日本海軍の基地が築かれていたが、1944年2月17日から18日にかけて、アメリカ軍は大規模な空襲を実施。日本軍の艦艇、約30隻が撃沈された。

船に積まれていた九五式軽戦車が巻き添えを食ったほか、撃墜された一式陸上攻撃機やゼロ戦も海へと沈んだ。このまま歴史の闇に消えるかと思われたが、この環礁内は浅瀬のため、多くの艦艇や兵器が原型を止めたまま海底に横たわっている。今では世界でも有数のダイビングスポットだ。

冒頭に掲載したのは、全長102mの駆逐艦「文月」(写真)を撮影した動画。オンラインゲーム「艦隊これくしょん~艦これ~」でも人気のある睦月型駆逐艦の7番艦だ。

現在は一番煙突と艦橋は倒壊してしまったが、他は無傷に近い。水深37mの海底にほぼ原型を保ったまま、珊瑚礁の海底に沈んだ。2014年で沈没からちょうど70年を迎えた今、激戦をかいくぐった駆逐艦は魚やダイバーに囲まれて、静かな余生を送っている。

トラック諸島の海底の日本軍の遺構

トラック諸島の海底に眠る日本軍

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