「北朝鮮への敵対行為」と朝鮮総連副議長 中央本部の売却許可に抗議

朝鮮総連中央本部の土地建物の強制競売で、東京地裁がマルナカホールディングス(高松市)への売却を許可する決定を出したことについて、総連の南昇祐副議長は会見し、「司法当局が在日朝鮮人に対する民族的差別をあらわにした暴挙だ」と抗議した。
時事通信社

在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部(東京都千代田区)の土地建物の強制競売で、東京地裁がマルナカホールディングス(高松市)への売却を許可する決定を出したことについて、総連中央常任委員会の南昇祐副議長は3月25日、中央本部で記者会見し、「民事執行法などを完全に無視した違法行為で、わが国(北朝鮮)に対する敵対行為だ」と抗議した。MSN産経ニュースなどが報じた。

昨年10月の再入札で50億1千万円の最高値を付けたモンゴル企業が書類不備で失格となり、22億1千万円で入札したマルナカが繰り上がった。総連側は「3度目の入札をすればより高い額で売却される可能性がある」として、売却許可に執行抗告(不服申し立て)している。

南副議長は「地裁はモンゴル企業より28億円低い額で入札したマルナカを有利に扱った」と批判。「公正さを欠く。時代の流れに逆行し、歴史に汚点を残す許し難い行為だ」と強い口調で述べた。

(MSN産経ニュース「朝鮮総連副議長『民族差別』『司法の暴挙だ』 売却決定の本部で会見」より 2014/03/25 13:01)

南副議長は総連の実質ナンバー2。47NEWSによると、故金日成主席と故金正日総書記の肖像が掲げられた一室で開かれた記者会見には、外国メディアを含む約30人が集まったという。

東京地裁は3月24日に決定を出した。マルナカ側は投資目的の落札だとしており、所有権移転後は「総連に明け渡しを求める」と表明している。また、朝日新聞デジタルは、地裁決定は覆らない見通しだと報じている。

今後、抗告は東京高裁が審理するが、明確な手続き違反などがない限り、地裁決定は覆らない見通し。朝鮮総連が「事実上の北朝鮮大使館」とされた最重要拠点から撤退を迫られる可能性は高そうだ。

(朝日新聞デジタル「朝鮮総連本部の売却、地裁が許可 総連は不服申し立て」より 2014/03/24 22:48)

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